【日産 リーフ vs トヨタ PHV】行方を決めるのはあくまでも消費者…御堀直嗣

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リーフ発表(3日)
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電気自動車(EV)か、プラグインハイブリッド(PHV)か――その行方は、消費者が決めることだ。

EVとかPHVとか、まだほとんどの人が乗ったことのないクルマを評価・評論しようとするから難しくなる。また、ちょい乗りしか経験のない評論家が、わかったような発言をするから、話が混乱する。

そこで、ミニバンを例に話そう。94年にホンダからオデッセイが登場し、ミニバンブームに火が付いた。当時、ミニバンを必要としない人も一度はミニバンを買ったはずだ。だが、それから15年を経て今はどうだろう。本当にミニバンが必要な人だけが買うクルマとなり、その間に、SUVとかクロスオーバーと称するクルマも現れ、それぞれに欲しい人が買って満足しているはずだ。90年代後半にはメーカーもミニバンしか売れないと言ったが、15年も経てば、消費者が自分に合ったクルマを判断しているということだ。

EVについて、NPO法人の日本EVクラブの会員は、16年も前からコンバートEVを手作りし、それがせいぜい30~40kmしか走らなくても生活の中に取り入れてきた。EV通勤で10万kmを超えている人もいる。その彼らが、三菱自動車の『i-MiEV』を当然のように購入している。使ってみれば、EVがどれくらいの性能を持っていれば自分の役に立つクルマかがわかる。必ずしもエンジン自動車と同じ距離を走る必要がない、急速充電器のインフラが必要不可欠ではないと、わかってくる。

PHVは、トヨタ・プリウスに乗っていると、EVモードでもっと走りたいという欲求が生まれ、それを実現するクルマだ。その根底に、モーターがいいという感触がある。もっとモーターで走りたいなら、EVがいいに決まっている。私は、プリウスのLグレードに乗っているが、JC08モードの32.6km/リットルに近い、28~29km/リットルは当たり前に出る。消費者感覚で言えば、プリウスで十分満足できる。

クルマの将来がEVかPHVか?――そんな話は、言葉の遊びでしかない。消費者がおのずと選択することだ。

《御堀直嗣》

御堀直嗣

御堀直嗣|フリーランス・ライター 玉川大学工学部卒業。1988~89年FL500参戦。90~91年FJ1600参戦(優勝1回)。94年からフリーランスライターとなる。著書は、『知らなきゃヤバイ!電気自動車は市場をつくれるか』『ハイブリッドカーのしくみがよくわかる本』『電気自動車は日本を救う』『クルマはなぜ走るのか』『電気自動車が加速する!』『クルマ創りの挑戦者たち』『メルセデスの魂』『未来カー・新型プリウス』『高性能タイヤ理論』『図解エコフレンドリーカー』『燃料電池のすべてが面白いほどわかる本』『ホンダトップトークス』『快走・電気自動車レーシング』『タイヤの科学』『ホンダF1エンジン・究極を目指して』『ポルシェへの頂上作戦・高性能タイヤ開発ストーリー』など20冊。

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