マレーシアの自動車メーカー、プロトンは、タイ市場において低所得者にも購入を促すローン設定を展開している。
タイ市場では9割を超えるユーザーが車をローンで購入している。通常、ローンの期間は最大で6年間(72か月)だがプロトンでは最大84か月までローン支払い期間を選ぶことができる。
タイの平均月収は日本円にしておよそ3万円。タイで一般的な収入があっても、自動車ローンは大きな負担となる。
プロトンが、タイ市場で主力車種としている小型セダン『SAGA(サガ)』は、スタンダードクラスが39万9000バーツ(約110万円)。これを72か月ローンで購入すると、月々6005バーツ(約1万6000円)だが、84か月ローンにすると5532バーツ(約1万5000円)になり、ユーザーにとっては購入負担の軽減につながる。
タイの人口は6300万~6800万人とみられており、2010年の国内新車販売台数は約60万台と試算されている。日本は人口約1億2000万人に対して年間の新車販売台数はおよそ500万台。したがって、日本では年間およそ25人に1人の割合で新車を購入しているのに対し、タイでは100人に1人。タイにおいて新車は、一部の富裕層にのみ購入が可能な高級製品であることがわかる。
低価格車を扱うプロトン。細かな自動車ローンの採用は、マレーシアという新興国に根付いた同社の現実的な発想から生まれている。