11月29日から富士スピードウェイで開催されているフォーミュラ・ニッポン公式合同テスト(〜30日)には、日本人初のF1フルタイムドライバーであった中嶋悟のファミリーが一堂に会するかっこうとなった。
トムスからテストに参加した長男・一貴のみならず、弟の大祐が、父のナカジマレーシングから出走。来シーズン、Fニッポンで中嶋ファミリーの対決が実現するかもしれない。
中嶋兄弟は、兄の一貴がトヨタ系の育成プログラムで出世し、弟の大祐(今季は英国F3に参戦していた)はホンダ系の流れで育った経緯があるため、一貴はトヨタエンジン使用チームのトムスからの、大祐はホンダエンジンを使用するナカジマからの参加となった。
兄であり、F1経験もある一貴は「カート時代には弟の方をより高く評価する声もあったくらいなので、一緒にレースすることになるとしたら楽しみです。もちろん、負けたくはないですよね」と語る。弟には今回、父という存在がついているが、「親父がいても速さには関係ないと思いますんで(笑)」と余裕?
一貴には別のライバルもいる。5年前の05年、一貴はトムスで全日本F3選手権を戦い、当時は同僚ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラが王者で、一貴はシリーズ2位だった。そのオリベイラが、今季はFニッポンのチャンピオンになっているのだ。
「速いドライバーはたくさんいるので、誰かひとりを特別に意識はしませんが、いろいろとやり合ったドライバーですからね。彼を(自分の)基準として見ることができる部分もあるので、負けないでほしいと思っていました。チャンピオンになってくれてよかったです」
来季のFニッポン参戦が実現すれば、6年越しの再戦で、一貴が王者オリベイラに挑む、という構図が見られる。これもファミリー対決同様に、新たな焦点となることだろう。