【マップルナビ3 インプレ】“旅行に行きたくなるナビ”の世界観が機能に結実

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キャンバスマップル
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「マップルナビ」は昭文社の子会社であるキャンバスマップルがPND向けに提供しているカーナビアプリケーション。2008年夏にユピテルから登場した『YERA YP430si』を皮切りに、XROADやトライウインなどのPNDにカーナビアプリを提供してきた。2009年にマップルナビは“2”に進化して、「まっぷるマガジン」から収録したガイド情報を搭載、旅行ガイドを核にしたコンテンツを武器に、他社のPNDとは一線を画したナビアプリとして存在感を発揮している。

高機能大画面化とコンテンツ拡充で個性を見いだす

そのマップルナビがこの冬“3”に進化。毎年のバージョンアップを重ねているマップルナビだが、今回の新アプリの目玉は“ガイド情報の強化”と“ハイエンドPNDへのアプローチ”の2点。

ガイド情報の強化という点に関しては、昭文社の『まっぷるマガジン』や『ベストドライブ』などの主要ムックの情報をほぼすべて網羅。写真付きの詳細なガイド情報が約8万件収録されている。また、ハイエンドPNDへのアプローチについては、VGA解像度に対応したほか、検索POIの増強により8GBクラスのメモリ容量が必要となっている。

こうして、国産ブランドアプリでは主流化しつつある大画面高解像への対応と、マップルナビの個性を強めるコンテンツ強化で、さらに多くのPNDベンダーへアプローチをかける狙いだ。

今回、マップルナビ3がインストールされた試用端末を借りて実際のドライブに利用してみた。ベータバージョンでのインプレッションなので、正式にリリースされるものとは機能面で異なる部分があることをお断りしておきたい。

◆WVGA対応で地図が生きる

さっそく電源を入れてみる。一見して感じたのは地図クオリティの高さだ。借用端末は4.1インチのWVGA液晶を持つものだったが、描画の品質感が高い。地図上に表示されるコンビニやガソリンスタンドのブランドアイコンも小さいながら見やすくなった。文字もアンチエイリアスがかかっており、安っぽさがない。

メニューは画面構成が一新されており、上段4下段4個合計8個のアイコンが整列した画面からすべての操作がおこなえる。操作体系もよく練られている。たとえば、ナビ関係については黒バックの操作画面、ガイド情報などコンテンツまわりは白バックの表示と、使っているうちに操作系のUIとコンテンツ系のUIとを意識できるようになる。

文字入力については、五十音式の入力からケータイ式に改められた。5インチ以下の小さな画面では、小さなアイコンが並ぶ五十音では押し間違いが多く、ケータイ式がやはりベストと感じる。

タッチレスポンスや地図スクロール、ルート探索などは端末のハードウェア性能による部分が大きいため評価は差し控えたいが、試用端末機での操作はスムーズだった。

◆ガイド情報は1500エリア8万件

目玉のガイド情報を見てみよう。ガイド回りはメインメニューに設けられた「MAPPLE」アイコンから利用できる。MAPPLEメニューはさらに、「観光地から探す」「今いる観光エリア」「ベストドライブ」「まっぷるコード」の4つに分かれているが、もっともよく使うのは「観光地から探す」だろう。ここをクリックすると、北海道から九州・沖縄までの7つの大エリアのガイドブック表紙が現れる。

例えば、京阪神エリアを選択すると京都・大阪・神戸などいくつかの中エリアが現れ、いずれかをクリックするとさらに細かい小エリアの観光スポット情報が現れる。8万件収録されている観光スポットは約1500の小エリアに区分されている。カーナビらしく階層を掘っていく選択法は、タッチ数が増えてしまうものの操作が分かりやすいというメリットがある。また、ガイド情報はお店や観光地などのスポットだけでなくエリアにも付いているので、各エリアの見どころなども紙地図感覚で切り替えていくのも楽しい。

MAPPLE>観光地から探す>東海北陸>名古屋・愛知>名古屋・知多半島>名古屋という手順で観光地エリアまでくると、「定番スポット」「ご当地グルメ」「お土産」といったスポット種類別の選択画面に切り替わり、ここから見たいジャンルを選択できるし、このエリアの施設一覧も見ることが可能だ。ご当地グルメも「名古屋のとんかつ」「名古屋の味噌カツ」といった種類ごとに店舗が分類されるという親切ぶりもありがたい。

◆ドライブ旅行を主軸に置いた“提案型ナビゲーション”

ナビゲーションの機能も抜かりはない。昭文社の地図を採用し、紙地図ライクな見栄えにこだわったナビ画面はVGA化の恩恵で見やすくなったし、「でっか字」機能で文字サイズのみを拡大することも可能。案内画面では、交差点拡大表示や3つ先の交差点まで表示するレーンガイド、ジャンクション拡大イラストといった基本機能は漏れなく備わる。VICSには対応していないが、青く明滅する抜け道表示は渋滞時の助けにもなりそうだ。

ドライブしている最中に、観光エリアに入ると知らせてくれたり、信号待ちなどで停止していると、現在の観光エリアのスポット情報をスライド写真で表示してくれる。

さらに驚く機能が、出先からメニューで「自宅に帰る」を選ぶと、お土産までオファーしてくれるというもの。ここまで至れり尽くせりのドライブ旅行ナビはかつてなかった。単に道案内の道具というだけでなく、“旅行に行きたくなるナビ”という作り手の世界観がきちんと機能として成立していることはマップルナビならではの個性と特長。先日登場したパナソニックの『旅ナビ』も昭文社のガイドブック収録をアピールしているが、こちらはあくまでも徒歩ナビを基本にした電子ガイドブックだったのに対して、マップルナビ3はドライブ旅行を軸に置いている点で性格のことなる商品と言える。

今回は試用機でのインプレッションだったため、自車位置精度や専用ハードと組み合わせた場合のレスポンスなどは、製品発表後に改めて検証したい。

《北島友和》

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