電気自動車普及協議会(APEV)は24日、第3回目となるEVコンバージョン部会を開催した。会長の福武總一郎氏、代表幹事の中島徳至氏らは冒頭挨拶の中で、21日にAPEVへの参加が発表されたトヨタ自動車への期待、今後の活動に向けた抱負を語った。
福武氏はトヨタの参加について、「豊田章男社長と会談し、APEVの取組みに対しご理解を頂いた。名前だけを登録する、ということではなく、設備の共用やメーカー車の利用など積極的に協力頂けることになった」と述べた上で、
「今まで日本メーカーは新車を販売することが主だったが、今後は売りっぱなしではなく、改造車を通じて市場に出たクルマをメーカー自ら管理していくということも必要なのでは。(EV化することで)温暖化対策にも貢献でき、日本だけではなく、世界に対して影響力がある取組みになる」と語った。
中島氏は、「7月には66団体だった協議会が、8月には84団体までになった。年内には100団体を越える勢いになっている。これは世間の注目が高くなってきていることのあらわれ」とした上で、
「我々の活動は改造EVという部分ばかりが取り上げられがちだが、EV全体の普及推進が目的。その中で、トヨタが参加したことで、カーメーカー思考が上手く共有され、その情報や技術が広く一般消費者にまで波及していくことを期待している。APEVでは、EVに対する理想と現実のギャップをどう埋めて行くか、議論を進めて行きたい」と述べた。
トヨタが参加することのメリットについては、「衝突試験設備などの共用」、「完成車の設計意図がわかる」、「技術情報の開示を頂けること」を挙げた。コンバージョン部会長の田島伸博氏は、「大きなチャンス。EV化にあたり(ベース車の開発を行ったメーカーの)アドバイスを貰えるのは大きな意味がある。新しい産業革命を起すことができる、という予感を感じる」と期待をこめた。
トヨタはAPEVへの参加を発表した同日の21日、2012年に中国でのEV生産を開始することを発表している。かねてより推進しているプラグインハイブリッド車の普及とともに、次世代環境車において全方位戦略をとる構えだ。