【マップルナビ3 登場】「“旅行に出たくなるナビ”を目指した到達点」…開発者

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企画制作部 チーフプランナーの広瀬浩司氏
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  • MAPPLEnavi3
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  • 景観のいいポイントは地図上にコメントが表示される。
  • コメントは500m以下の縮尺時に表示される
  • MAPPLEnavi3
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昭文社の子会社、キャンバスマップルが提供するPND向けナビアプリに最新バージョン『マップルナビ(MAPPLEnavi)3』が登場した。この冬、トライウインのPNDに搭載されて発売される見込みだ。ウリであるガイド情報をさらに強化すると共に、ユーザーインターフェースを刷新。開発の狙いについて、企画制作部の広瀬浩司氏に聞いた。

◆“2”のネガ洗い出しとガイド情報の充実

----:昨年に登場したマップルナビ2から、1年を経てマップルナビ3に進化しました。おもな新機能や特徴についてまずご説明ください。

広瀬:2で基本機能の底上げとコンテンツの活用に一通りのメドがつきましたので、3では、基本部分の成熟とガイドブック情報をより使いやすく役立つ機能を加えました。ナビゲーションの機能やユーザーインターフェース(UI)は専門家の評価とユーザビリティのテストを実施して、ネガを潰すだけでなく感覚に訴えるようなUIへとブラッシュアップを図っています。

----:PNDの高機能化、ハイスペック化も著しいですが、マップルナビ3ではこの流れに対応しましたね。

広瀬:ええ。VGAの解像度と8GB相当のメモリ容量をもつハードが要件となっています。解像度が上がることで表現力が増して、写真や地図の見栄えが格段に向上しました。メモリは地図データや検索データのみならずドライブ旅行に役立つコンテンツを盛り込んでいます。

----:旅行に役立つコンテンツや機能とはどのようなものでしょう。

広瀬:マップルナビ3では、旅行ガイドブックの『まっぷるマガジン』の各地域版を全て収録しています。まっぷるマガジンの表紙を模したアイコンから、8万件に及ぶ各観光エリアの情報を閲覧することができます。

◆1500エリア、8万件のガイド情報

----:どの観光スポット情報にも写真が付いているのですか。

広瀬:写真が付いているのは、全8万件のうちの約5万件です。それらは1枚のみではなくて、ガイドブックをめくるように複数の写真が見られるようになっています。また、この機能を活かして、たとえば信号待ちなど一時停止しているとGPSの動きから判断した時に、自動で近くの観光スポットの情報の表示に切り替わるような機能も今回盛り込みました。ドライブに割って入るおせっかいな機能ではなく、あくまでも自然に見せてあげるように、心がけています。

----:観光エリアは全国どれくらいをカバーしているのですか。

広瀬:8万件の観光情報を全部で約1500の観光エリアに区分して収録していまして、うち各エリアで特にオススメの定番スポットが4100件、ご当地グルメが約460件、お土産が約400件程度あります。出先から目的地を「自宅」に設定するとお土産を自動的にリコメンドする機能もあります。

----:マップルナビ3の登場でマップルナビ2と入れ替わるということになるのでしょうか。

広瀬:マップルナビ3はハードウェア要件もあるため、2の上位アプリという位置づけに近いものと考えていただいて結構です。よりリーズナブルな価格でPNDを出したいというメーカー様には、最新版の地図を収録したマップルナビ2を提供させていただくこともあります。

◆旅に出たくなるナビを目指した到達点

----:そのほか、マップルナビ3で加わった機能はどのようなものがありますか。

広瀬:やはり力を入れたのはUI改善ですね。マップルナビ2を作った後、およそ1か月かけてユーザビリティ評価を実施し、ボタンの大きさや配置、拡大縮小ボタンの消失するタイミングなど、使いにくいと思われた部分について、さまざまな改善を図っています。

----:デモ機も触らせていただきましたが、ボタンの大きさや配置も吟味されている印象です。

広瀬:検索での文字入力はユーザーの負荷が高いので、フリーワード検索の文字入力をケータイ入力方式に改めています。また、フリーワード検索とは別に、50音検索を追加しました。目的地の名称か完全に分かっている時には、こちらの名称検索も利用できます。住所検索についても簡単に選べるように、50音で飛べるようにしたり現在地を考慮して、神奈川県だったら住所検索は神奈川県から始まるようにするなど細かい部分の修正も加えています。

----:まっぷるマガジン風の表紙の地域アイコンは誰でも見たことのある絵柄で、象徴的ですね。

広瀬様:ナビゲーション回りの画面は、昼でも夜でも視認性を確保するために暗系色ベースですが、マップルナビ3では紙のガイドを見ているような感覚を演出するために、観光地検索では背景を白ベースに配色を変えています。

----:確かに、紙のガイドブックや地図を意識したデザインが随所に見られます。

広瀬:地図には新たにコメント表示機能を加えました。ドライブやツーリング向けのガイドブックにあるような、景観のいい道路やポイントなどをマップルナビ3用に起こしています。地図が文字で埋め尽くされてしまっては意味がないので、500m縮尺以下の場合に表示されます。眺めや景色がいいということをとっかかりに、走ってみようと思うこともあるのかな、と。

----:今回のバージョンアップはマップルナビ2にも増して盛りだくさんですね。

広瀬:私たちとしてはまだまだ盛り込みたい機能があったくらいですが(笑)。ともあれ、“旅に出かけたくなるナビ”を目指して行き着いたひとつの到達点がこのマップルナビ3です。ガイドブック情報とその活用のしかたにおいては、他にはない特徴を持たせました。この冬にトライウインさんから出されるPNDにぜひ期待していただきたいと思います。

《聞き手 三浦和也》

《まとめ・構成 北島友和》

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