【ホンダ フリードスパイク 発売】個性を引き立て便利に使えるオプション装備群を試す

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出発前に荷物をほとんど積んだところ。3人家族の1泊旅行なら、荷室の広さや容量は十分
  • 出発前に荷物をほとんど積んだところ。3人家族の1泊旅行なら、荷室の広さや容量は十分
  • 目的地駐車場で荷物を下ろしたところ
  • ベース車両はG・ジャストセレクション。これに数々のオプション装備を充実させた
  • ヘッドライトとフロントグリル(メッキタイプ 2万8350円)
  • リアクォータ―パネル。ガンメタリックのガーニッシュが全体を引き締める
  • リアまわりの外観を引き立てるガンメタリックのテールゲートスポイラー(3万3600円)とリアガーニッシュ(4200円)そしてロアスカート・リア(3万7800円)。
  • カーゴルーム
  • 反転フロアボードを下にしてスペースを最大限に。システムカーゴトレイ(1万6800円)はフロアボードの寸法に合わせて仕切られている。

ホンダから発売された『フリードスパイク』は、「ちょうどいい」のフリードに若者向けの味付けがされたハイトワゴンだ。コンセプトは「可能性搭載コンパクト」で、3列目シートの代わりに反転フロアボードを装着した荷室で使い勝手を高め、レジャーでの利用を意識した造りとなっている。今回は純正ディーラーオプションのアクセサリーを中心にレポートてみたい。

◆反転フロアボードとサイズを合わせたシステムカーゴトレイ

子供を連れての家族旅行をこの車で行ってみてその実力を評価してみた。旅行の行き先は千葉県は外房の和田浦海水浴場だ。この海水浴場は岩場で磯遊びもでき、夏場は海流に乗ってきた熱帯魚も見られるという、日本の海水浴場100選にも選ばれている人気のスポットだ。

まず、海水浴の準備ということで物置から水中メガネやシュノーケル、折りたたみテーブル、パラソル、簡易テントなどをひっぱりだし、荷室に積んでみた。我が家は子供一人の3人家族なのでそれほど荷物が多くないのでフリードスパイククラスのサイズなら余裕ですべての荷物が収まってしまった。逆に、収納ボックスやユーティリティが多いので、ただ積みこむだけでなく、かなり機能的な積載が可能だった。

たとえば、岩場での遊びに不可欠なウォーターシューズやシュノーケリングギア、レジャーシートなどは、オプションのシステムカーゴトレイに納め反転フロアボードでふたをする。これらの荷物は基本的に現地に到着するまで引っ張り出すことはないが、クーラーボックスやバッグ、その他の荷物は移動途中のサービスエリアなどで出し入れすることがある。その際、関係ない荷物まで動かしたり、降ろしたりせずに必要なものにアクセスでき、積み直しも楽だ。また、フリンジのついた樹脂製のトレイはそれなりの深さがあるので、多少の砂や泥など気にせず積むことができるし、フロアボードが他の荷物とうまく分離してくれる。トレイ自体は軽く、反転フロアボードと合わせたサイズになっているあたりも、純正ディーラーオプションならではの使い勝手だ。

このシステムカーゴトレイは、フロアボードでふたをしない(フロアボードを反転させた状態)で利用することもできるので、荷物の量やサイズで適宜調整すればよい。最初は、フロアボードを乗せてしまうと、その下の荷物はアクセスが面倒になり、結局デッドスペースになってしまうのではと思っていたのだが、実際に利用してみるとむしろかなり使えるスペースだった。価格も手ごろで、ぜひ注文時に加えたオプション装備品だ。

ちなみに写真のクーラーボックスだが、小さい車や後席のスペースが小さい車だと、フロアに置くと、ふたのロックレバーの操作ができないことがあるが、フリードスパイクでは後席のフロアに置いてもふたの開閉が自由にできた。これなら車の中で冷たい飲み物に困ることはない。

◆ソフトな風合いが魅力の革調シートカバー

使用感が想像以上に良かったのが、革調のシートカバーだ。シートカバーというと子供が小さいときに汚れ防止に装着を考えるくらいだが、フリードスパイクの革調シートカバーは、見た目がカバーに見えないほどしっかり装着され、後付け感が見えない造りになっている。筆者は不覚にも革シートのオプションがあるのだと思ってしまったくらいだ。このシートカバーだが、見た目の高級感だけでなく、カバーなのでシート本体の汚れや傷の保護にも役立つ。アウトドア利用で多少濡れた状態でも神経質になることもない。子供がいるなら、むしろ検討すべきオプションかもしれない。

フリードスパイクの荷室は、じつは荷物だけのためのスペースではない。人間が使うことも意識して設計されている。発表会で「秘密基地」とした由縁でもあるのだろうが、現地について荷物を降ろして後席を倒せばフルフラットな空間ができ、リアクオーター内側の収納トレイやビルトインテーブルにいろいろなものを置ける。今回の和田浦海水浴場は、駐車場と海岸の距離が近いという特徴もある。ここでは、海岸にテーブルやテントを張らなくても駐車場の前にテーブルや荷物をならべ、車のトランクルームを居室として利用することもできる。砂や水気が気になるなら、大き目のレジャーシートを敷いておけばよいだろう。

◆様々な使い道があるルーフインサイドレール

今回、システムカーゴトレイと並んで機能性が高いと感じたディーラーオプション装備は、車内両サイドに装着されたあるルーフインサイドレールだ。これにゴムひもなどを2本、レールの前端と後端に左右に橋渡すように結びつける。

いわゆる「つっぱり棒」などを利用してもよい。そこに大き目のタオルかレジャーシートなどをひっかけると、後席左右のスモークガラスとともにうまい具合に目隠しになり、簡易更衣室として使える。また、カーテンとして利用したり、ハンガーを引っかけたりと使い方は多彩だ。

◆タフさが強調されるエアロパーツ類

エクステリアはどうだろうか。まず目を引くのは“Modulo(モデューロ)”ブランドのエアロパーツだ。ガンメタリック塗装のフロントスカート、サイドスカート、リアスカート、そしてテールゲートスポイラーとリアガーニッシュを装着すると、タフさが強調され、かなりインパクトのある外観になる。メッキタイプのフロントグリルと共に、ノーマル仕様との差別化という点でも有効で、街中での注目度も高かった。

今回レビューに使用した車はシルバーメタリックの比較的地味なボディカラーなのだが、ガンメタリックのエアロパーツとメッキタイプのフロントグリルとともに、非常に目立つ車になった。とくにリアビューはカスタムカーを思わせる印象さえ醸し出している。インチアップのアルミホイールと組み合わせれば、ただのミニバンじゃないぞ、という主張は充分すぎるくらいだろう。

さらに、これらのパーツはエアロパーツでありながら、プロテクターとしての意味もある。バンパーの下部は縁石や輪留めなどで傷つけることが多いが、これらのパーツはバンパープロテクターとしても機能する。純正装着品なのでアプローチアングルやでパーチャーアングルなどは、実用上問題ないよう設計されていることも付け加えておきたい。

サイドスカートには、高輝度LEDによるウェルカムライトが装着されているが、キーロック解除やドアオープンに連動し、夜間の乗り降りの際に、地面の様子を照らす照明として使える。これも今回便利と思った装備のひとつである。

細かい点では、ドアハンドルプロテクションカバーも取り上げたい。最近はネイルアートのブームで爪を伸ばしている女性が少なくない。色を塗るだけでなく、爪に小さいビーズなどを接着していることもある。そのため、ドアハンドル部分のボディのへこんだ部分は、細かい傷がつきやすいが、プロテクションカバーはそれを保護してくれる。

◆高いファッション性で所有感を演出するインテリア

インテリアパーツは、純正品ならではのトータルコーディネーションが魅力。とくに千鳥格子柄のインテリアパネルは、黒内装で若干地味な印象のノーマルスパイクの雰囲気を一変させてくれる。

また、イルミネーション類はブルーで統一されており、ピラーやフットライト、そしてインテリアパネルを間接照明で照らし出す。前席ドアを開けた際に眼に映る、サイドガーニッシュカバーのイルミネーションなど、どこまでも押し付けがましくなく、自然な光の演出は、オーナーの所有感を演出してくれることだろう。

◆純正オプションのメリットを考慮して購入を

他にも、本革製のステアリングホイールカバーやシフトノブ、9インチのリア席モニター、消棒RESCUEという炭酸ガス消火器(ガス式なので薬剤による消火後の汚れの心配がない)と脱出器具(ハンマーとシートベルトカッター)が組み合わされた便利グッズやキーロックで自動的にミラーが格納されるオートリトラミラー、ペット用シートやキャリーバッグなど、さまざまなオプション装備があるのだが、すべてを紹介しきれるものではない。

これらは、ぜひ自分でディーラーに足を運び、試乗車やカタログで確認しつつ、用途や目的にあったオプション装備の組み合わせを、自身で考えてほしい。ナビゲーションなどの電装品を含めて3年間・6万kmの保証が得られ、車両開発と同時に設計されたマッチングも純正ディーラーオプションの魅力といえる。

《中尾真二》

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