【カーナビガイド ‘10】エコと通信の2大トレンドを大胆に取り入れた意欲作…クラリオン スムーナビ NX710

自動車 テクノロジー カーナビ/カーオーディオ新製品
装着例
  • 装着例
  • メニュー周りは一新された。目的地は大きな円状のボタンから設定する
  • チズルサーチから「ラーメン」で検索
  • 加減速時間や一定速走行割合をしたドライブ履歴が日別に確認でき、博士からもアドバイスがもらえる
  • VICSの図形情報にももちろん対応
  • 省エネルート探索では、高低差などを配慮して燃料消費がもっとも少ないと推測されるルートを引く
  • 目的地を設定
  • ジャンクションの拡大イラストにももちろん対応

LEDバックライト採用のワイドVGAディスプレイを新採用

クラリオンとザナヴィが合併したのは2009年だが、『スムーナビ NX710』は、同社製カーナビとしては初めてザナヴィ出身のエンジニアと共同開発を進めた機種となる。従来モデルではインクリメントPだった地図データのサプライヤーを、NX710ではゼンリンへと変更。さらにワイドVGA液晶ディスプレイを採用し、高精細感は一気に向上した。

従来モデルのスムーナビには8GB容量のSSD(Solid State Device/クラリオンの呼称はSDD:Silicon Disc Drive)を搭載していたが、NX710ではこれを同容量のSDHCカードに変更。本体にはSDカードスロットが2つあるが、このうち1つが地図メディア用に割り当てられ、普段は着脱する必要がないことから、カバーで覆われている。

ワイドVGAに進化したディスプレイのバックライトはLEDで、従来モデルよりもはハッキリくっきりした画面となった。昼間の車内であっても視認性の高さは特筆できる。

◆市販の一体型ナビとしては初めてGoogle マップ ローカル検索に対応

Bluetooth対応の携帯電話機との連携機能があり、同社が提供するドライブ情報サイト「チズルとススム」だけでなく、「Google マップ」とも連携させた目的地検索機能(Google マップ ローカル検索)を採用している。ナビ画面からの直接操作でGoogle マップに登録されている施設情報を検索・表示させることができる。検索した施設はもちろん目的地として設定することも可能だ。

NX710は単体でも必要十分な目的地データを有しているが、データベース作成後に加わった施設など、最新のスポットにはどうしても弱い。Google マップやチズルとススムでの検索結果を加えることで、データを補完することができる。

ただし、携帯電話を介した検索は通信料が掛かってしまう。各電話キャリアのパケット割引は適用されず、従量制で契約プランにもよるが1検索(20件のリスト取得)あたり約15-20円必要になる。Google マップやチズルとススムの検索データはSDカードでも持ち運びができるので、パソコンを所有している方はあらかじめ自宅などで検索しておき、そのデータを持ち込めばいいだろう。

◆ゲーム感覚でエコ運転を実践できる「エコ運転アドバイス」

もうひとつの特長は「エコ機能」の採用だ。本体の左下部にあるecoボタンを押すことで、ゲームを楽しむようにエコドライブを行うことができる「エコ運転アドバイス」が起動する。

これはGPSによって測定した移動距離や加減速などからクルマの運転状況を把握し、結果をグラフやイラストで表示するようになっている。エコ運転度は画面に表示される木の成長で示され、優秀な場合はこの木がどんどんと成長していく。キャラクターの「ナビック」をタッチすると、現在の運転状況に応じて、台詞や表情が変わったり、「博士」が燃費改善のためのアドバイスをしてくれる。

また、あらかじめ車両情報をNX710に登録しておくことで、目的地までのルート設定時にもエコを意識したルートを引くことができる「省エネルート探索」という機能も新たに採用された。

これは登録した車両のスペックから推定燃費を算出。そのクルマにとって燃料消費量の少ないルートを選ぶというもの。基本のルートに対し、どの程度の省エネを達成しているかは画面に星印で表示される。推定燃費ではあるが、実燃費とあまり差が生じないことは発売前の試験で明らかになっているという。

◆フルセグ、Bluetoothオーディオ、iPod/iPhone連携などAV面も充実

前述したとおり、市場での想定価格は約15万円と、比較的安価な部類となるが、NX710はDVD再生から地デジフルセグ。BluetoothオーディオにiPod/iPhone連携。SD/USBオーディオと、デジタルメディアのほとんどに対応する。オーディオ機能だけで見ても上位機種に匹敵する。

新スムーナビはまさに「新生クラリオンの意欲作」とも呼べる充実のモデルといえよう。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集