二極化するホイール&タイヤのニーズをリアル店舗で吸収

自動車 ビジネス 国内マーケット
店舗外観
  • 店舗外観
  • 販売部マネージャー久保拓通氏
  • 発売以来高い人気を保っているミシュランのパイロットスポーツ3
  • ダンロップ
  • 魅力的なプライスがウリのStarfireタイヤ
  • タイヤを手に持って比べられるコーナーも設置
  • 各社のエコタイヤを“触れて”比べることができる
  • エコカー向けの軽量ホイール展示コーナー

自動車用タイヤとホイールの販売に事業内容を絞り込み、通販とリアル店舗をうまく使い分けビジネスを展開しているのがフジ・コーポレーションだ。

◆統一CIによる信頼感と安心感

同社の09年10月期決算を販路別売上高の構成比でみると、店舗が60.9%、通販が27.5%、業販が11.6%と、通販売上が店舗売上のおよそ半分に迫るといった状況だ。

ここ数年、自動車用品の顧客ニーズは廉価品志向と高級品志向へと二極化しているという。一般的にはターゲット層を明確化し、粗利率の高い高級品志向を強めるのがこの業界の通例と言えるが、同社では高級品のみならず、廉価品も積極的に扱い、幅広い顧客層の獲得を目指している点が特徴だ。

今回訪れた千葉県千葉市稲毛区にあるフジ・コーポレーションのタイヤ&ホイール館スペシャルブランド千葉穴川店は、京葉道路穴川ICから数分のところに位置する。黒の外壁にガラス張りの外観は“洗練されたお店”をテーマにする同社の店舗に共通するCIが採用されていて、店内も高額商品を取り扱うのにふさわしい雰囲気となっている。

展示されているホイールにより派手な印象を受けるが、店舗でも効率化を図ることにより商品を低価格で提供するといった姿勢がみられ、ピットスペースにはタイヤとホイールの交換に必要な機材に絞り込み、余分な設備をもたないなどの合理化が図られている。

◆タイヤを“手にとってもらう”ことで銘柄の特徴を知ってもらう

一般的なカー用品店では、タイヤの売り場スペースが限られるため、オリジナルブランド品や格安タイヤなど売れ筋のモデルしか展示されていないことが多い。しかし、フジ・コーポレーションでは、広大な店舗敷地と倉庫による圧倒的な在庫量を武器に、クルマ好きとしては気になる、各タイヤ銘柄の最新モデルやハイスペックモデルなどを豊富に揃えていることも大きな特徴と言える。

入り口正面の特設スペースには、09年トップセールスを続けた『プリウス』などエコカーに向けた商品として、エコタイヤを並べ各銘柄の重さなどを比較できるブースを用意している。記者も実際に持ってみたが、想像以上に重さやゴムの硬さに差があることに驚いた。

エコカー需要が盛り上がる中で、エコタイヤの積極訴求は実際効いているとのこと。特にヨコハマの「Earth-1」やダンロップの「ENASAVE」などは同店で人気だという。

穴川店の販売部マネージャー久保拓通氏は、「大ヒットを記録したプリウスですが、ホイールの履き替え需要に関しては一段落した印象です。プリウスユーザーの趣向としては、エコをコンセプトとした軽量なホイールやタイヤだけでなく、ドレスアップを狙った、大型ホイールへの履き替えなどもあります」と語る。ハイブリッドカーもより“大衆化”が進み、様々なカスタマイズを志向する層が増えてきたことの現れだろう。

久保氏は穴川店勤務前は東京の練馬店のマネージャーだった。「練馬店は輸入車にお乗りのお客様が比較的多かったのですが、ここ千葉穴川店では、輸入車からミニバンまで、ユーザー層も若い人に限らずファミリー層まで、多種多様なお客様が来店されます」と語る。共通しているのは「クルマ好き」ということらしい。

◆納得できる商品選びのコツは“第一印象重視で”

同社がウェブ上に用意する「ホイールフィッティングルーム」は、アルミホイールの装着と概算金額をシミュレートできる。穴数やオフセット、PCDといった項目がそれぞれの車種に適合するものだけをリストアップされるため、“実際に取り付けられる”製品だけをイメージできるところも便利だ。フェラーリからミニバンや軽自動車、既に新車の販売が終了しているモデルまで、なんとその数691台を収録している。

この「ホイールフィッティングルーム」は、多分一日やっていても飽きることはないのではないかと思うほどおもしろいが、やはり最後は現実の店舗で商品を確認したいもの。店舗では店内にあるホイールを自分のクルマの横において装着イメージを確認できるサービスも実施している。(注:車体への組み込みはなし)

ホイール交換についておすすめの方法などを聞いてみたところ「やはり第一印象が大事。自分がいちばん気に入ったデザインを選ぶことが、後になって後悔しないと思いますよ」と語る久保さん。インチアップについては、はじめての人だと乗り心地やタイヤ幅が広がることによる路面からの反応に驚くことがあるといい、慎重に選んでほしいとのことだ。

なお同店では、6月末までの予定でアーリーサマーセールを実施するとのこと。梅雨シーズンに向けてサマータイヤの交換を検討している層へのブランド浸透を図る狙いだ。

タイヤ&ホイール館フジ スペシャルブランド千葉穴川店
住所:千葉県千葉市稲毛区園生444-10番地
TEL:043-253-5550
FAX:043-253-5551
営業時間
平日:AM10:30 - PM7:30
土祝日前日:AM10:00 - PM8:00
日・祝日:AM10:00 - PM7:00
定休日:無休
店舗URL http://www.fujicorporation.com/shop/chiba_anagawa.html
店舗ウェブサイトでも折り込みチラシの閲覧が可能

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