全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第2戦は5月23日、ツインリンクもてぎで52周の決勝レース(約250km)を実施。
前日の予選はドライだったが、決勝はウエットとなる難しいコンディションのなか、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)がポール・トゥ・ウインを飾った。オリベイラは今季初優勝(通算2勝目)。闘将・星野一義が率いるインパルにとっては昨年の開幕戦以来、久々の勝利となった。
ポール・トゥ・ウイン、決勝レース中のファステストラップも獲得し、しかも全周回トップ。オリベイラは完全勝利達成だ。
「ベストなスタートではなかったけど、ポールからトップを守るのには十分なスタートができた。その後はハードにプッシュし続けたよ。スタート直前、グリッドでレインタイヤを少し溝の浅いものに代えたり、よりダウンフォースを増すようにウイングをアジャストしたりした判断も良かったと思う。最高のレースだった」
昨年はFニッポンへの参戦機会を失っていたが、さすがは実力者。復帰した今季は2位 - 優勝、これでポイントリーダーの座に就いた。今回はレギュラーの担当エンジニアが体調を崩して不在という苦境にあったが、代役を務めたエンジニアやチームスタッフたちと協力して、難局を乗り切った。
昨年は開幕戦で勝ったきり、ナカジマ・ホンダの攻勢にやられっぱなしだったインパル。それ以前は6年連続チームチャンピオン獲得を誇った強豪だが、久しぶりの勝利だ。表彰式を終えて記者会見へと向かう途中、星野監督が思わず「いやもう、ホッとしたよ。ありがとう」と本音をもらしたほどで、まさに待ちこがれた勝利であった。
2位は地元栃木出身の塚越広大(HFDP・ホンダ)。また、予選前日にチーム監督の舘信秀氏が参議院議員選挙への出馬を表明して話題になったトムスのアンドレ・ロッテラー(エンジンはトヨタ)が、パドルシフトの不具合に苦しみながらも3位に入った。
開幕戦ウイナーの小暮卓史(ナカジマ・ホンダ)は、予選3位/決勝6位。ブレーキの不調を抱えており、序盤にコースオフを喫するなどして後退した。予選後には「マシンの優位性が少なくなってきた」と語っており、タイトル獲得に向け今後の戦いぶりがさらに注目されることに。第2戦終了時点のポイント上位は、オリベイラ19点/小暮14点/ロッテラー12点という状況だ。
次戦・第3戦は、2か月弱のインターバルを挟んだのち、7月17 - 18日に富士スピードウェイで開催される。