【人とくるまのテクノロジー10】3Dプリンタが今なら大特価?

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樹脂成型の3Dプリンタと砂型鋳造技術の紹介
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3Dプリンターという機器をご存知だろうか。紙に文字や画像を印刷する平面の2Dに対して、立体的な造形ができる機械のことだ。

樹脂などを素材に試作品を作るために用いられることが多く、光硬化樹脂と紫外線を利用したタイプと、ABSなどを溶解し押し出して積層していくタイプ、さらにはインクジェット方式で粉末樹脂に硬化剤を噴射して造形するタイプの3種類があるが、薄い板状の物質を重ねていく積層造形法である点は同じ。

人とくるまのテクノロジー展では、丸紅情報システムが、3Dプリンタ数種を展示していたが、キャンペーンや限定、という言葉に弱い日本人のツボを突いたディスプレイに、思わず目を引かれてしまった。米国ストラタシス社の本格RP造形機FORTUS360mcが通常価格1980万円のところ、何と半額以下の980万円という衝撃プライスで販売されていたのである。

といっても個人レベルでコレを購入したい、と思うヒトはまずいないハズ。パーソナル向けには、小型の冷蔵庫レベルの大きさのuプリントという商品がある。こちらも造形方法は同じく押し出し法で、作り出せる大きさが約200×150×150mmまでに限られるけれど、金型を必要とせず思い通りの造形が可能。樹脂パーツのワンオフ製作にはもってこいのメカなれど、それも価格は198万円とクルマ並みだ。

さらに会場内を歩いていると、砂に埋まったエキゾーストマニホールドのレプリカ(?)を発見。これも積層造形法を利用したもので、何と鋳造用の砂型を積層造形法で作ってしまうというのだ。

従来、砂型鋳造はまず木型を作り出し、その木型を砂に埋めて、抜き出すことで空洞を作り、そこに溶解した金属を流し込んで鋳造する。積層砂型工法なら、木型を作る必要がない。しかも複雑な中空構造なども一体で型を作ることが可能だ。金型鋳造にも応用することで金型不要になることから、少量生産に強みを発揮する。

この3D積層砂型工法を開発したのは、鋳造メーカーのコイワイ。鋳造製品の可能性を広げるために、鋳造技術の開発にも力を入れているのだ。3D砂型積層工法にはレーザー焼結によって焼き固める方法とインクジェットによって硬化剤をスプレーする方法の二通りがあるという。それぞれメリットがあり、使い分けることでコストや品質の要求に応えることができるそうだ。

《高木啓》

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