トヨタ自動車とフランス電力公社(EDF)、ストラスブール市は欧州時間4月27日より、フランス環境・エネルギー庁(ADEME)の支援の下、『プリウス・プラグインハイブリッド(PHV)』による大規模実証実験を、ストラスブール市とその近郊地域で3年間の予定で開始した。
EDFは2007年にPHV普及についての提携をトヨタと結んでおり、旧型『プリウス』をベースとした車両数台を社用車として使用してきた実績を持つ。今回のプロジェクトはその拡大版であり、ここまで広範囲でのPHV実証実験は世界初となる。
今回の実証実験では、充電にまつわる諸問題の解決にも積極的で、車載機器だけでなく、携帯通信システムでも充電スポットの情報を入手できるようにしている。すでにiPhone向けソフトウェアが用意されており、App Storeから無料でダウンロード可能になっている。
ソフトウェアを開くと、GPSを使った検索と地名入力による検索を選択する画面に移行。どちらも近くの充電スポットがリストで表示され、空情報は色で教えてくれる。リストをタッチすると地図や住所などの詳細情報が入手できる。
日産が今年末に発売を予定している電気自動車(EV)『リーフ』も同様のシステムを採用することが決定しているが、トヨタとEDFは実証実験とはいえひと足先に導入したわけで、各方面から注目を集めそうだ。
EDFは実証実験に賛同した企業や住宅、公共駐車場に、車両識別や課金情報管理を行う機能を有した充電スタンドを150基以上設置する予定。またPHVの一部車両には、同公社が開発したシステムを活用することで、充電プラグを介して充電スタンドとの情報交換ができるようになっている。
フランスでは各都市で積極的な環境対策を実施している。ストラスブール市は都市再生の主役として1994年にトラムを導入。スタイリッシュなデザインも手伝って世界的に有名な存在になっている。同市では歩行車道や自転車道の整備も進めており、PHV実証実験はこうした環境対策の一環と位置づけている。