【北京モーターショー10】東風汽車、ハマーのコピー車を展示

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東風汽車 猛士
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中国の東風汽車(ドンフェン)は23日、北京モーターショーにおいて、SUVモデル『猛士』(モングス)を展示した。

東風汽車は、中国3大自動車メーカーのひとつ。設立は1968年で、当時の毛沢東の命令により、国策自動車メーカーとして立ち上げられた。1992年に現在の東風汽車に車名を変更。現在、日産、ホンダ、シトロエンとそれぞれ個別の合弁事業を手がけている。

そんな東風汽車のブースの一角に展示されていたのが、SUVの『猛士』である。誰が見ても、ハマー『H1』を連想させるスタイルだ。

ハマーH1は軍用車、『ハンヴィー』の民生用車両として、GM傘下のAMゼネラル社が1992年に発売。俳優でカリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガー知事も、熱心なH1のファンとして知られた。

ところが2006年夏、GMはH1の生産を中止。原油価格の高騰を受け、燃費が4km/リットル台のH1の販売が、極端に落ち込んだのが理由だ。しかし、軍用車のハンヴィーは、AMゼネラル社で継続生産されている。

東風汽車は2007年夏、猛士を発表。開発には5年の歳月をかけ、試作車65台を製作。延べ120万kmに及ぶ走行テストを繰り返した。もともと、中国軍向けの軍用車として開発されたが、民生用に『汗馬』というモデルも存在する。北京モーターショーに出品された猛士は、まさにハマーH1にそっくりだ。

GMは2010年2月、傘下のハマーブランドの売却に関して、中国・四川省の重工業メーカー、四川騰中重工機械と結んだ契約を白紙撤回。四川騰中重工機械に対して中国政府から、環境イメージの悪いハマー買収の認可が下りなかったことが原因と見られる。ハマーブランドは、このまま廃止される見通し。東風汽車もここまで模倣するなら、GMからハマーの意匠権だけでも買い取ってはいかがだろうか。

《森脇稔》

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