富士重工業は22日、自動ブレーキによりクルマを停止させる制御などの最新技術を加えた『新型EyeSight(アイサイト)』を発表。第2世代となる新型アイサイトは、スバル『レガシィ』の一部のグレードに搭載され、5月中旬から販売が開始される。
第2世代・新型アイサイトは、「衝突回避・衝突被害軽減機能」「運転負荷軽減機能」「予防安全機能」という3つの機能で構成され、これらの機能には8つの制御が含まれている。
先代レガシィに搭載されたアイサイトから、新たに加えられた機能(制御)は、「プリクラッシュブレーキ」「プリクラッシュブレーキアシスト」「全車速追従機能付クルーズコントロール」の3つ。
「プリクラッシュブレーキ」は、自動ブレーキによって車両を減速・停止させるシステムで、前方の先行車や障害物に衝突する危険をシステムが認識すると、車間距離警報によりドライバーに回避操作を促し、さらにドライバーの回避操作が無い場合で自車と対象物との速度差が約30km/h以下の状況では、自動ブレーキによって衝突の回避・衝突被害の軽減を図る(速度差が約30km/hを超える状況では、自動ブレーキによって減速することで、衝突被害の軽減を図る)というもの。
「プリクラッシュブレーキアシスト」は、前方の先行車や障害物に衝突する危険をシステムが認識した状況で、ドライバーの急ブレーキ操作を検知した場合、自動的にブレーキアシスト機能を働かせることによって、衝突の回避・衝突被害の軽減を図るシステム。
「全車速追従機能付クルーズコントロール」は、自動ブレーキの最大減速度を従来比1.6倍にまで高め、都市部の自動車専用道路など、先行車の減速幅が大きい状況でも追従を可能とし、ユーザの利便性を大幅に高めたもの。先行車が停止した場合は、追従して自車を停止させたうえ、さらに停止状態を維持することで、渋滞時などの運転負荷を軽減する。
富士重工業常務執行役員・スバル技術本部長兼スバル技術研究所長の宮脇基寿氏は、「今後、さらなる安全性向上を目指し、『知能化』の研究開発をすすめている。ドライバーに危険な状態を知ってもらい、事故を未然に防ぐ技術のひとつで、目の前の交通状況を“かたち”としてとらえることができる映像技術を活かしたステレオカメラで認識しつつ、交差点などの複雑な交通環境には、インフラとの情報通信を行ない、知覚認知性能の拡大を図っていく」と話す。
「ドライバーである“人間”を知ることも重要。外部情報を認識し、走行環境のリスクを抽出する技術に加え、運転中のドライバーの状態を推定する技術なども、研究・開発をすすめていきたい」(宮脇氏)
今回の新型アイサイトの価格について同社は「10万円前後を予定している」と話していた。