【JNCAP】スバル、世界で認められた安全性…基本の積み重ねが評価に

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レガシイのオフセット前面衝突試験
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  • 試験で使用されたレガシィツーリングワゴン
  • 試験で使用されたレガシィツーリングワゴン
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2009年度自動車アセスメント(JNCAP)で、スバル『レガシィ』が最も安全性に優れた自動車としてグランプリを受賞した。スバルとして3年連続の優秀車選出となっただけでなく、米国2010トップセーフティピック、欧州ユーロNCAPでの最高評価に続きJNCAPグランプリを受賞したことで、同社の安全性能が事実上世界中で認められたことになる。

スバル商品企画本部プロジェクトジェネラルマネージャーの熊谷泰典氏は、今回の受賞、欧米での評価について「『インプレッサ』、『エクシーガ』をはじめ、これまでスバルが作り上げて来た安全技術の積み重ねが評価を受けた形となりました。安全性の追求はスバル車の開発において最重要テーマであり使命。万が一の事故が起きてしまった時の“わずか0.2秒間”のためにプロフェッショナルが日々研究開発を進めています。ですから今回の受賞、欧米での評価についても『偶然とれた』のではなく『とるべくしてとった』と捕らえております」と語った。

スバルは、衝突安全、事故の被害拡散防止といった「万が一事故が起きてしまった際」の乗員保護、歩行者保護はもちろん、「事故に至る前」の予防安全、事故回避を含めた、あらゆる環境下で安全を最優先したクルマづくりを続けている。

今回受賞した新型レガシィは、インプレッサ、エクシーガなどと同じくスバルのコア技術「シンメトリカルAWD」を採用。独自の水平対向エンジンは、低位置に搭載できるため重心を安定させることができ、縦置きトランスミッションとトランスファーの採用により左右対称レイアウトとすることで、バランスの良い走りを実現する。

また低いエンジン位置を活かし、歩行者の頭部がボンネットに当たった際の衝撃吸収スペースを多く確保することができ、歩行者保護に対し優れた安全性を実現した。ボンネットそのものについても、衝撃を均等に分散する裏側構造、ワイパーやパネルの衝撃吸収構造など、頭部への衝撃を吸収する構造を全域に採用している。

乗員保護の面でも低いエンジン位置を活かし、衝突時にはエンジンが車体下側へ潜り込むように設計、衝突のエネルギーを効率よく吸収することを可能とした。レガシィはエンジンとトランスミッションを「クレードル」と呼ばれるフレームで支える独自の構造をとっており、このフレームが全突時の衝撃吸収に貢献するという。

安全装備としては頸部衝撃緩和フロントシートのほか、デュアルSRSエアバッグ、サイドエアバッグだけでなく、カーテンエアバッグを標準搭載としたことが大きな特徴だ。熊谷氏は「“飛び道具”を使うのではなく、あくまで基本に忠実な技術を高める、という点がスバルの安全技術の特徴といえます」と語る。

今後の安全技術への課題について同氏は「現時点でクルマの衝突安全技術はかなり高い所に来ています。しかし、これからも安全基準はどんどん厳しくなっていきますし、これに対応していかなければいけない。衝突時の安全ももちろんですが、いかにぶつからない車を作るか、が重要であり理想と考えています。これからのスバル安全技術の目標は『世界一ぶつからない車をつくる』ことではないかと考えています」と将来への抱負を語った。

《宮崎壮人》

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