【スズキ アルト 試乗】クールビューティの優しさ…まるも亜希子

試乗記 国産車
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いつの頃からか流行りだした「クールビューティ」という言葉が、30年目の『アルト』にはピッタリだ。1979年デビューの初代は、47万円という価格からして、目に見える驚きが詰まったクルマだった。最新のアルトには、飛び道具的なものはとくにない。けれども、代わりに目に見えない部分での改良や、新技術投入が積極的に行われている。

『ワゴンR』と共通のプラットフォームに、バルブタイミングを最適化したVVTエンジン、『パレットSW』で初採用した副変速機構付きCVTが贅沢に組み合わされた。

走りだしてみると、とくにパワフルとも非力とも感じさせない。ごくごく自然で普通なドライブフィール。乗り心地もホンワカ系ながら、高速道路では適度なガッシリ感は保ってくれる。

装備ではこれといって目新しいものはないが、580mmのヒップポイントでラクにできるフロントの乗り降りは好印象。そして安全性との兼ね合いから80度に開くリヤドアは、荷物の出し入れやチャイルドシートのお世話も充分にしやすい。気になる燃費は、CVTの高速のみで27km/リットルをマークし、街中でも23km/リットルとカタログ値との大差はなく、優秀さを実感できた。

どこにもトンガった部分はないけれど、乗りやすさと経済性はしっかりある。それこそが、免許取り立てのビギナーから熟練のお年寄りまで、万人が運転する可能性のあるアルトならではの優しさなのかな、と思う。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★

まるも亜希子|カーライフジャーナリスト
大学在学中に声優デビュー、卒業後は自動車専門誌で編集者を務める。2003年、カーライフ・ジャーナリストとして独立し、雑誌、ウェブ、ラジオ、CS、イベントへの出演等を軸に活動中。04年、05年には、サハラ砂漠2500kmを走破する女性だけのラリーに挑戦し、日本人チームとして初めて完走。現在、ニッポン放送『DRIVE with ECO&DREAM』レギュラー出演中。

《まるも亜希子》

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