ポルシェ『911』の NAエンジン搭載モデル最高峰に位置するのが、『GT3RS』。ポルシェは19日、歴代RSモデルの血統を紹介したPRビデオを、動画共有サイトで公開した。
RSとは、ドイツ語で「レーンシュポルト」の頭文字。歴代911に用意されてきた伝統の軽量バージョンである。最新のRSが、2009年9月のフランクフルトモーターショーで発表されたGT3RS。『GT3』をベースに、サーキット性能を重視して開発された。
3.8リットル水平対向6気筒エンジンは、専用チタニウムエグゾーストシステムの採用などにより、最大出力は15psプラスの450psを達成。その発生回転数は7600rpmから8500rpmへ引き上げられ、いっそう高回転志向になった。リッター当たりの最大出力は118psと、NAエンジンとしては世界トップレベルにある。
トランスミッションは、GT3よりもさらにクロースレシオ化されたショートストロークの6速MT。この6速MTを駆使して、GT3RSは0-100km/h加速4秒、最高速314km/hと、GT3を0.1秒、2km/h上回る911のNAエンジン最高峰の性能を発揮する。
足回りはGT3をベースにしながら、前後トレッドを拡大。タイヤは前245/35ZR19、後ろ325/30ZR19サイズを装着する。車高も若干ローダウン。さらに、ハード走行時にエンジンマウントを硬化させるPADM(ポルシェ・アクティブ・ドライブトレイン・マウント)と、4輪独立で減衰力を調整するPASM(ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネージメントシステム)を、サーキット寄りのセッティングに変更している。
外観は、専用の大型カーボン製リアウイングやワイドフェンダーがGT3よりもスパルタンな雰囲気。アルミホイールやドアミラーをボディカラーと異なる色でコーディネートできるのも、GT3RSだけだ。室内には「RS3.8」のロゴ入りバケットシート、ロールケージ、スウェード製ステアリングホイール&シフトレバーなど、レーシングライクな装備が奢られた。
各部の軽量化は徹底的に行われているが、ユニークなのはリアに置かれるオプションのリチウムイオンバッテリー。通常のバッテリーよりも10kg軽く、サーキットでコンマ1秒を削りたい顧客に向けたアイテムだ。
ポルシェは、最新のGT3RSと先代(996型)GT3RS、そして「ナナサンカレラ」の愛称で知られる1973年式『2.7RS』を、英国シルバーストーンのポルシェエクスペリエンスセンターでテスト。RSの血統を伝える映像は、動画共有サイトで見ることができる。