仏パリ市は2月23日、2011年にサービス開始を予定しているEVシェアリング「オートリブ」について、市側の申し出に応じた参加候補企業を公表した。
駐車場運営のインターパーキング、電池開発製造のボロレ、郵便局系アウトソーシング企業のエクステリア、公共交通運行のヴェオリアトランスポートに、レンタカーのエイビス・駐車場運営のビンチパーク・パリ交通公団・フランス国鉄の合弁企業を加えた5社がその陣容となる。
このうち車両開発に関与している唯一の企業がボロレである。同社は2008年のパリモーターショーで、ピニンファリーナと共同開発したEVを発表し、その後も「ブルーカー」の名称で市販化へ向け研究開発を進めてきた。
ブルーカーはボロレが開発したLMP(リチウムメタルポリマー)電池とスーパーキャパシタ、最高出力50kWのモーターを搭載し、最高速度130km/h、満充電での走行距離250kmをマークする。全長3.65m、全幅1.72m、全高1.60mとコンパクトながら4人の乗員と200リットルのラゲッジを収めるピニンファリーナデザインのボディも魅力だ。
オートリブに関してはボロレのほかにもう1社、EV作りの経験を持つコーチビルダーのウリエーズも有力候補とされてきた。しかしウリエーズは経営状況が不安定という情報もあり、それが今回の結果につながったのかもしれない。
今後は3月に、上記5社が市側の要求を完全に満たすかどうかを見極め、6月には事業をスタートさせ、来年秋の開業を目指すという。また地域については、パリ市と周辺の合計30都市に導入することが公表されている。