フェラーリは22日、F1用の新型ドライビングシミュレーターを開発したと発表した。2010年シーズンの開幕に向けて、ドライバーの訓練に使用される。
この新シミュレーターは、フレームの長さと幅が約8m、高さが6mという巨大なもの。コクピットはアルミとコンポジットの複合素材で作られており、ドライバーの前には5台のディスプレイを配置。180度を超える視界が得られるように設計されている。
シミュレーターの開発には、航空宇宙や医療など最先端分野のシステムを手がけるMOOG社が参画。その基幹システムが、総メモリー60GB、1日当たりの計算可能データ容量5GBという10基のマルチプロセッサーだ。ドルビーサラウンド7.1チャンネルのサウンドシステムも組み込まれ、音響出力3500Wという迫力の音を生み出す。
フレームの重さは約2トンで、約500kgの電子制御アクチュエーター2基を装着。そしてシステム全体が、約200トンの基礎の上に固定され、約180平方mの2階建ての施設内にレイアウトされる。まさに、フェラーリが自信を持って完成させたシミュレーターだ。
F1界で最も高度なドライビングシミュレーターを持つといわれるマクラーレン。フェラーリの新シミュレーターは、これを上回る性能を備えているといわれる。フェリペ・マッサ選手とルノーから移籍したフェルナンド・アロンソ選手は、このシミュレーターをフル活用して、シーズン開幕に備えることになる。