東京モーターショー、ハーレーダビッドソンは日本でのシェア拡大を象徴するかのような広いブースで、5シリーズすべての2010年モデルを展示している。
急速な円高によってアメリカ製品への値下げの期待はあるものの、王者ハーレーの価格は相変わらずプラチナ級。もっとも、来場者の話を聞くと、純正オイルなどの一部消耗品で値下げの噂があったり、販売店独自でパーツの値下げはあるようだ。また、細身で人気のパパサンこと『XL883Lスポーツスター883ロー』は、シャレの効いた新価格88万3000円になった。
「ツーリングファミリーシリーズ」の2010年モデルは、1689cc「ツインカム103」エンジンを搭載した『FLHTKエレクトラグライド・ウルトラリミテッド』と、新登場のホットロッドカスタムモデル『FLTRXロードグライド・カスタム』。
往年のリジットフレームスタイルを継承する「ソフテイルファミリー」からは『FLSTFB ファットボーイロー』を展示。2010年モデルの中でもっとも低いシート高は620mmとのこと。
ビッグツイン独特の鼓動とスポーティな走りを実現する「ダイナファミリー」では、2007年モデル限りで消滅した『FXDWG ダイナ・ワイドグライド』が3年ぶりに復活した。フロントスポークが前に延び、ライダーは後ろにどっしり座るというチョッパースタイルのファンに朗報だ。
水冷DOHC Vツインエンジンを搭載する次世代ハーレー「VRSCファミリー」は、ロー&ロングフォルムの『VRSCF C-RODマッスル』を投入した。張り出しの強いタンクと直線形のマフラーは大柄なボディをスポーティに魅せる。
遙かなる直線を行くというハーレーのイメージに、ワインディング走破の楽しみを追加してくれる「スポーツスターファミリー」には、フルアジャスタブルサスペンションを搭載した1202ccの『XR1200X』が誕生。上向きのマフラーが躍動感を醸し出す。前述のように883ccモデルの88万3000円の価格も話題だ。
このほか、純正カスタム車「CVO(カスタム・ビークル・オペレーション)」モデルとして「FLHTCUSE5」「FLHXSE」に1801ccツインカムエンジンを搭載したCVO版を展示。ダイナファミリーのCVO版『FXD2F-CVO ダイナ・ファットボブ』は日本初上陸だ。
不況な日本でハーレーの販売が堅調な理由は、円高よりも低金利。ハーレー独自の150回ローンを組めば、月々数千円からハーレーのオーナーになれる。一生もののバイクだから10年以上のローンも組めるというわけだ。最愛の一台と長く付き合う。これもひとつのエコロジー&エコノミーかもしれない。