【東京モーターショー09】お通夜のような雰囲気かというと…人気ブースはここ!

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日本精工
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1954年に第1回ショーが開催されて以来、“最大の危機”に瀕している東京モーターショー2009。

一般来場者への公開初日となる10月24日・土曜日の来場者数の動向が注目されたが、結果は午後3時時点で6万人に満たず。主催者である日本自動車工業会の関係者の一人は「初日に10万人を割るようだと苦しい」と語っていたが、その目標ラインを大幅に割り込んでしまった。

もっとも、会場全体がお通夜のような雰囲気かというとそうでもない。集客力のあるブースに黒山の人だかりができるようなシーンも多々見られ、関係者も悲喜こもごも。中でも例年にない注目度に喜んでいるのは部品メーカーだ。前回まではメーカーの展示場所と異なるホールに集められていたが、今回はメーカーと同じホールにブースを構える。

超精密加工技術で知られる日本精工は、前回までのようなハイテクを駆使した動きモノの展示をやめ、クルマのステアリングシステムなどシンプルなものを中心に、ユーザーが触れる形で展示したが、それが子供たちを含め来場者に大人気。ブースに人が入りきれないような状況が長く続いた。

「場所もあってか、かつてない混み具合でした。子供さんが思わぬ場所に手を入れて怪我をされないか緊張しましたが、喜んでいただけて本当に嬉しい」(日本精工ブース担当者)

従来のステアリングに代わる次世代の運転インターフェースを提案する運転シミュレーターを3台投入した東海理化ブース、ハイブリッドカーやEVのモーター作りに欠かせないネオジム磁石の強力さを体感できる日立金属ブースなど、部品ブースでは思わぬアミューズメント性に来場者が「すごい」と歓声を上げるシーンが多々見られた。

また、悲惨きわまりないメーカー系ブースでも、会場全体で唯一のダンスステージであるホンダのアトラクション、トヨタの電子バイオリン、電子チェロなどを使った生演奏、前回並みの規模の展示ながら他が縮小したために相対的ににぎやかさを増したスバルとマツダ、乗用車と同じ会場にブースを構えられるということでやる気満々のヤマハ、前述の部品ブース群など、よく見ると楽しめるところも散見される。

ただし、全体の見所が少ないだけに、そういうホットなスポットには来場者が集中しやすいため、よく見物するためにはアトラクション開始より少し早めに足を運ぶようにしたほうが無難だ。秋風落莫とした雰囲気が漂う今年のモーターショーだが、ゆっくりとクルマを眺めて一日を過ごすには悪くないかも!?

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

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