筋肉の動きでタイヤを評価する…横浜ゴムが開発

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筋電図による計測の様子…体にセンサーを付け、筋活動を測定する
  • 筋電図による計測の様子…体にセンサーを付け、筋活動を測定する
  • ドライバーから計測可能な生体情報
  • 主成分分析による性能評価の散布図

横浜ゴムは9日、信州大学繊維学部(創造工学系感性工学課程)と共同で、筋肉の動きを計測する筋電図で得た生体情報を活用してドライバーが思いどおりに運転できるタイヤづくりのための新しい評価手法を開発したと発表した。

これは同社が2004年に開発した評価手法をさらに進化させたもので、スタンダードタイヤ同士やハイパフォーマンスタイヤ同士など同じカテゴリに属する特性の近いタイヤ間での性能評価を可能にした。この手法を活用することで、スポーツカーやコンフォートカーなど車種を問わずドライバーの思いどおりの運転を高レベルで実現するタイヤ開発に結びつく、としている。

今回、新手法の開発で計測データのバラツキが出にくい走行条件の設定、膨大な計測データから最適な評価指標の組み合わせを容易に決定できるデータ分析法の確立に取り組んだ。
 
うねりのある準定常旋回コースで、特性の近い複数のタイヤでハンドル操作(操舵角や操舵トルク)と左右の三角筋の収縮の強さ(筋活動の大きさ)を測定したところ、左右それぞれの筋活動の大きさや左右の筋活動の連携に差があることが確認できた。
 
さらに、ここで得た膨大な計測データを新たにデータ分析法として導入した主成分分析で解析した結果、ハンドル操作の修正とそれに伴って発生する筋活動パターンとの組み合わせによって表される指標、ハンドル操作に要する力によって表される手応えの重さの2つの評価軸によって、試験タイヤを明確に分類することができた。
 
この結果は被験者のフィーリング評価とも一致しており、この評価手法がドライバーの感性をより適確、定量的に反映できる手法であることが確認できたとしている。
 
同社はドライバーの生体情報を得るため、長時間の計測の必要が無い筋活動を筋電図によって測定する方法を採用している。

《レスポンス編集部》

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