日産自動車は7日、従業員に対する新型インフルエンザの予防策として自社開発した熱画像カメラ技術を応用した入館管理システムを開発、導入すると発表した。
今回導入するシステムには、日産とチノーが共同で開発した体表面温度チェッカー『サーモピクス愛』を使用。製品には日産が自動車搭載用カメラとして研究開発してきた遠赤外線を利用した熱画像カメラの技術が搭載されており、非接触でスピーディーに温度を測定することができる。
この製品は顔を近づけるだけで顔の表面温度を測定し、発熱の有無を即座に判別するというもの。従業員の入館時に検温することで発熱者の入室を制限、オフィス内での新型インフルエンザの感染を抑制する。
日産では、オフィスでの新型インフルエンザの感染を極力防ぐことを目的に、システムをグローバル本社ビルでトライアル導入し、今後、国内の事業所へ順次導入していく予定。
日産では2004年から、自社が持つ知的財産を異業種にライセンスする活動を行なっており、自社で研究開発した多くの技術やノウハウなどを自社だけの利用だけでなく、オープンにして自動車産業以外の多くの分野での利用を促進し、収益確保の多様化を図る。
今回の熱画像カメラ技術もこの活動の一環で、日産はシステムを広め、新型インフルエンザの感染の抑制に寄与する意向だ。