マツダは2009年の東京モーターショーに向けて「スカイコンセプト」と関連の戦略にいついて発表を行った。
それは、すべてのユーザーに走る歓びと環境安全性能を提供するというものだが、次世代のパワートレイン「SKY-G」、「SKY-D」、「SKY-DRIVE」を発表し、これを2011年から順次市場に投入していくというものだ。
「すべてのユーザーに」となっているので、これらのエンジンやトランスミッションは、軽自動車、1300ccクラスのデミオ、アテンザやプレマシーなどもすべて対象となる。2011年にどの国から、どの車種からこれらが実装されていくかは明かされなかったが、マツダでは、これらの新しいパワートレインを「明日」の技術として位置づけている。
ちなみに「今日」の技術は直噴エンジンをベースにした「i-stop」システムだ。これは現行車両に搭載されている。また、「将来」の技術はハイドロジェンREハイブリッド車となっている。
「明日」の技術であるSKY-G、SKY-D、SKY-DRIVEを搭載したコンセプトカーに『清』(きよら)がある。これは、昨年のパリモーターショーで発表されたものだが、2009年の東京モーターショーで、日本初公開となる。1.3リットルの直噴ガソリンエンジンSKY-Gに、6速オートマチックトランスミッションSKY-DRIVEを搭載する。さらに「i-stop」機能とエネルギー回生システムも搭載する。
ボディワークは、ガルウィングのドアとガラス面を多用しながら、ルーフからリアクォータに伸びる特殊なピラー形状により剛性も確保されているという。運転席のパネルはメータなどの配置を自由に配置できるマルチファンクションディスプレイも可能だそうだ。後席らしきものがなく一見してツーシータに見えるが、トランクルームとの隔壁にみえる傾斜は、ハンモックのようになっていてそのまま座ることができるようになっている。
興味深いのは、ルーフからリアゲートに掘られた「溝」だ。これは雨水を伝わらせ濾過機を通して飲料水などを確保できるようにするために設けられたそうだ。
昨年のパリ仕様との違いはエネルギー回生システムを搭載し、さらに燃費を向上させたことだ。マツダによれば、i-stopやエネルギー回生システムとの併用になるが、スカイコンセプトのパワートレインによる低燃費化により、10・15モードで32km/リットルを実現しているという。スカイコンセプトによる既存の内燃機関への効率アップのこだわりが、ハイブリッドシステムを利用せずとも、ここまで低燃費を実現できるということだ。