トヨタ自動車の豊田章男社長は2日、東京の日本記者クラブでの講演で、社長就任時に従業員に「もっといいクルマをつくろうよ」と呼びかけたことを紹介、自身はそのために「できればオーナーシェフのような存在になりたい」と語った。
レストランのリーダーであると同時に、味覚にも長けたシェフという例えだ。豊田社長は「道によってクルマの味は変わる」という持論を展開、同じ『カローラ』でも「(使用される国の道によって)味付けを変えなければならない」と述べた。
また、自らは他社のクルマを含め年間200数十台に試乗、レース活動なども通じ「クルマの違いが分かる『舌』をもつようトレーニングしている」と語った。
さらに自動車メーカーの経営トップとして「味にモノがいえるようになること」を目指したいとし、「味を追求することで改善も続けられる」と指摘した。豊田社長のレース活動には「自粛」を求める声も社内にあるが、自らがハンドルを握る意義に理解を求めたかたちだ。