プラグインHVスポーツ、カルマのフィスカー社…米政府から低利融資

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米国エネルギー省は22日、フィスカーオートモーティブ社に対して、5億2870万ドル(約482億円)を低利融資すると発表した。同社はこの資金を元に、プラグインハイブリッド4ドアスポーツ、『カルマ』の量産体制を整える。

米国政府は2008年11月、新エネルギー法に基づいて、総額250億ドル(約2兆4000億円)の予算を計上し、次世代環境技術の開発を行うメーカーを支援すると発表した。これに対して、フォード、日産、テスラモータースが融資を申請。今年6月23日、フォードに59億ドル(約5625億円)、日産に16億ドル(約1525億円)、テスラモータースに4億6500万ドル(約445億円)の総額80億ドル(約7595億円)の低利融資が実行された。

3社に続いて、フィスカーオートモーティブ社も融資を申請。そしてこのほど、米国エネルギー省から申請が認められた。同社はこの低利融資を使い、2010年夏に発売予定の新型プラグインハイブリッド4ドアスポーツ、カルマの量産準備に着手する。

カルマは今年1月のデトロイトモーターショーで初公開。ハイブリッドシステムは「Qドライブ」と呼ばれ、2個の強力なモーター(403ps)によって、約80kmをゼロエミッション走行できる。2次電池は蓄電容量22kWhのリチウムイオンバッテリーで、家庭用コンセントから充電可能だ。

カルマはGMのシボレー『ボルト』と同様に、発電専用エンジンを搭載。バッテリー残量が少なくなると、GM製の「エコテック」直噴2.0リットル直4ターボ(260ps)が始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給するとともに、バッテリーを充電する。これにより、最大航続距離は480kmまで伸びる。

外観はロングノーズに大胆に抑揚を効かせたボディラインが特徴。ボディサイズは全長4970×全幅1984×全高1310mmで、長くワイドながら背の低いプロポーションを持つ。アルミスペースフレームにアルミ複合素材を組み合わせたボディは軽量に仕上げられ、0‐100km/h加速6秒、最高速度201km/hのパフォーマンスを実現。SAE(アメリカ自動車技術協会)の測定方式による燃費&CO2排出量の見込み値は、28.57km/リットル、83g/kmと公表されている。

フィスカーモートモーティブ社は、今回の融資を利用してカルマの生産ラインを整備。2012年には、年間10万台のカルマを量産し、最低でも5000名の雇用を創出する計画だ。また2016年までに、カルマの販売によって、約31億リットルのガソリン消費量節減と、約800万トンのCO2排出量削減を目標に掲げる。

カルマの価格は8万7900ドル(約800万円)だが、米国政府の補助金や優遇税制制度を利用すれば、実質プライスは3万9900ドル(約365万円)まで下がる見込み。2010年夏の発売を前に、すでに1500件以上のオーダーを獲得しており、関心の高さをうかがわせる。

《森脇稔》

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