フランクフルトモーターショーで、オペルは新型『アストラ』をデビューさせた。競争力の高い価格設定とCO2削減などの環境性能がアピールポイントとなっている。
新型アストラは、同レベルのコンパクトクラスにはない高品質、高性能、最新技術を投入している。新型から、ヨーロッパで販売されるアストラのすべてがイギリス工場で生産されることになった。以下、数字の明らかになっているイギリス仕様(「ヴォクソール」ブランド)で説明する。
エアコンの標準装備、MP3対応のオーディオセット、電子制御スタビリティコントロール、16インチホールなどを装備した、エントリーモデルである「1.4i」(87PS)で1万5675ポンド(日本円換算でおよそ230万円)と、競合モデルよりおよそ270ポンド増に抑えている。ターボモデルである「SRi 1.4i」はプラス10ポンドという価格設定だ。
また、過給機なしのSRiは、1800ccのガソリンエンジンで最大出力が140PSとなっている。それでもCO2排出量は18パーセントほど削減され、税制面でも優遇されるという。このモデルには、電子式パーキングブレーキ、センターアームレスト、アクティブヘッドレストなども標準装備されている。
ディーゼルエンジンモデルである「Life 1.7 CDTi」(100PS)と「Exclusiv 1.7 CDTi」(110PS)もCO2排出量を従来モデルから1kmあたり11g削減し、英国での自動車税の課税ランクが下がるという。ディーゼルエンジンモデルは、1万8015ポンドからの車両価格設定だ。さらに、(英国の)オーナーにとってうれしいのは自動車保険の料率(ランク)も新型の全モデルにおいて下がっていることだそうだ。
環境性能による減税措置、保険料率のダウン、そしてアクティブ制御など上位モデルの機能を備えながら極力価格アップを抑えるといった、モーターショー発表モデルとしては、地味な存在かもしれないが、世界的な経済情勢を考えると、いま消費者にいちばん有効なアピールポイントなのかもしれない。