【フランクフルトモーターショー09】あの「迷車」トラバント が復活!

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『トラバント』といえば、ちょうど20年前の1989年、ベルリンの壁が崩壊したとき、東ドイツ側の人々が歓喜とともに西側に乗りつけたことで有名になった。そのトラバントが電気自動車に変身し、17日から一般公開されるフランクトモーターショーで復活する。

プロジェクトを手がけたのは、鉄道模型用ミニカーとして著名なドイツのヘルパ・ミニチュアモデッレ社だ。

同社は壁崩壊翌年の1990年にいち早くトラバントの87分の1ミニカーを発売した。また、すでに「Trabant」の商標使用権を旧所有者であったトラバントの愛好会から購入している。

新トラバントは電気自動車で、一部の国外報道によるとソーラーパネルを備え、一充電あたりの航続距離は250kmという。ただし現在のところ、それ以上の詳細は不明だ。

ヘルパ社は前回07年のフランクフルトモーターショーで、トラバント復活プロジェクトの構想を発表。来場者から好評を獲得したことから、今日まで計画が進められた。製作にあたっては、旧トラバント工場の本拠地でもあったツヴィッカウにあるプロトタイプ製作会社「インディカー」社の協力を得た。

なお、この新トラバントの87分の1ミニカーはすでに発売されているほか、ヘルパ社のサイトでは組み立て式の「紙の車」もダウンロードできるようなっている。

オリジナルのトラバントは、旧アウトウニオン系の流れを汲む東ドイツの工場で、1958年に誕生した。Trabantとはドイツ語で衛星の意味。エンジンは空冷直列2気筒2ストロークで、アウトウニオンが残した技術を流用した前輪駆動だった。

ボディはデューロプラストといわれる、限りなく段ボールに近い樹脂が使われていた。これは当時の西側による資源禁輸措置を克服するためだった。そのため、トラバントの愛称として「トラヴィ」のほか、「パッペ」(pappe)=ボール紙というものも存在した。にもかかわらず、当時の社会主義政権下で、トラバントの納期は12年を要したといわれる。

ベルリンの壁崩壊を機にトラバントは、テレビ報道を通じて西側諸国でも一躍知られるところとなった。当時日本でも、並行や個人輸入で、新車や中古車が輸入された経緯がある。
その後トラバントは、安全・排ガス基準ともに西ドイツ/欧州基準にクリアできないことから、1991年に製造が中止された。

ただし今日でもドイツにはトラバントの愛好会があり、毎年春エッセンで行なわれるヒストリックカーショーに出展しているほか、定例ミーティングも行なわれている。

今回のトラバント復活は、2ストロークの白煙で「公害の象徴」だった元祖が、電気によるクリーンカーとして蘇るという、「落ち」もついている。

《大矢アキオ Akio Lorenzo OYA》

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