【フェラーリ カリフォルニア 試乗】ライフスタイルで語れる跳ね馬…西川淳

試乗記 国産車
【フェラーリ カリフォルニア 試乗】ライフスタイルで語れる跳ね馬…西川淳
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新しいフェラーリだ。60年代半ばの『ディーノ』登場にも匹敵する、新展開だと思う。

要するに、これまでの絶対的跳ね馬信者や跳ね馬願望の強い人に向けただけではなく、知ってはいるがそれほど特別視しない、忠誠心はないがいっぺん乗ってみたい、といった人にも積極的にアプローチするフェラーリ。垣根が低く、それほど身構えなくてもいい、カジュアル・フェラーリ。ライフスタイルで語っていい初めての跳ね馬……。

だからライバルは、たとえばメルセデスベンツ『SL』の「AMG」モデルやアストンマーチンだ。デザイン性、機能(ハードルーフオープン)、性能、そして扱いやすさ。そういうレベルが、本当にドイツ車あたりと肩を並べるに至った。これは衝撃だと思う。

かといって、軟弱なスポーツカーかと問われれば、そうじゃないと答える。乗り心地も滑らかで、全ての操作が馴染みよく、特別なクルマという感じがほとんどしないことを指して軟弱というなら、街乗りや高速クルーズでは“軟弱”だ。けれどもそういう場面を越えて、たとえばエンジンをガンガン回せるようなステージにいってみれば、それはもう、血沸き肉踊るフェラーリである。特に、スポーツドライビング下ではしびれるFRスポーツだ。

要するに、高度な二面性を持ち合わせた。両方を味わえる人はより幸せだが、仮にそうじゃなくても、毎日マジ乗りできるフェラーリの価値は高い。そして、フェラーリは『カリフォルニア』(もしくは中古の『360モデナ』や『F430』)を入門フェラーリとして位置づけ、ミッドシップV8系をさらに過激に、マニアックに進化させた。『エンツォ』級の性能を誇る『458イタリア』だ。価格もいっきに3000万円越えだろう。この戦略、上手いと思う。

■5つ星評価
パッケージ:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
おすすめ度:★★★★

西川淳|自動車ライター
昭和40年生まれ、奈良県出身。スーパーカーをこよなく愛し、イタリア車に大いにはまりながらも、高性能ドイツ車を尊敬してやまず、新旧日本車もカワイクて仕方がない。浪花節クルマおたく。

《西川淳》

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