1 | デザイン重視の珍しい存在 |
6代目新型『ゴルフ』は、初代ゴルフのデザインを意識したと言われている。確かに、先代の3分割のフロントグリルに対して、新型では一体化したフロントグリルとなっているので、先代との違いは明らかだ。しかし初代との関連付けの説明は強引で、モデルチェンジの話題作りの可能性さえ感じさせてしまう。
サイドからリアビューにかけてデザインを見ていくと、ワイド感を強調しているものの、先代とデザインの基本的な変更の無いことが分かってくる。ボディサイズもほとんど変わっていない。また、1.4リットル直列4気筒TSIエンジンやDSGなど、メカニズムの面でも際立った変更は見当たらない。
注目の燃費では、クラストップの低燃費を実現していた先代に対して、さらに10%強の燃費向上を実現しており、コンセプトは変えずに熟成を図ったとみることができる。乗ってみると、さらにその成果が実感されそうだ。しかし、車両価額も10%強アップしているので、熟成の魅力も相殺されかねない。
そんな訳で新型ゴルフは、性能が魅力のドイツ車の中で、デザインを売りとする珍しい存在となった。初代ゴルフの継承を主張するフロントグリルが変更点だが、全体としては変わらないデザインの狙いを探る。