ボディサイズとデザインテイストはガラッと変わったが、本質は変わっていないし、ハードウェアとしては着実に進化していることは間違いない。普通だったら、これほど上級移行したわりには、価格がそれほど上がらなかったのは偉いという話にもなるだろう。しかし、『レガシィ』の場合はどうかな…?
気がかりなのは、従来の4代目までのレガシィを気に入って愛用していた人が、次に何に乗ればいいのかということだ。むろんスバルにとっては、限られたラインアップの中で、これからのあり方を考えたときに、レガシィはこうなるべきという結論に達したのもわからないでもない。
それでもユーザーにとっては、さすがにここまで大きくなると、おいそれと乗り換えられない人が多いのではないか? 『インプレッサ』や『アネシス』もあるわけだが、それらでは満足できないという人のほうが多いだろう。
もちろん、新型レガシィが気に入っているのなら、迷わず買っていいと思う。よくできたクルマには違いないし、このぐらいの出費でこれほどのクルマが買えるというのは、本当にお買い得だと思う。
デザインは好みによるとして、やはり問題はボディサイズだ。レガシィのコアバリューを受け継いだ、4代目と同程度のサイズのクルマが、なんらかの形で存在してくれるといいのにと願う次第である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★
岡本幸一郎|モータージャーナリスト
1968年富山県生まれ。学習院大学卒業後、自動車メディアの世界へ。自動車情報ビデオマガジン、自動車専門誌の記者を経て、フリーランスとして活動を開始。最新モデルからヒストリックカー、カスタマイズ事情からモータースポーツ、軽自動車から輸入高級車まで、幅広い守備範囲を自負する。現在は WEB媒体を中心に執筆中。「プロのクルマ好き」として、常に読者にとって役に立つ情報を提供できるよう心がけている。