2008年9月。資本主義経済に火の手が上がった。
リーマン・ショックで"発火"した資本主義経済は、またたく間にグローバル市場を焼き尽くし、世界全体に深刻なダメージを与えた。
大量生産・大量消費。右肩上がりの新車販売による成長。それら20世紀の自動車ビジネスも、火だるまになった。自動車メーカー経営者が言う「100年に1度の危機」とは、およそ100年間続いた自動車産業のビジネスモデル崩壊を控えめに表現した言葉だ。
しかし、この焼け野原から、新しい自動車ビジネスの芽が出はじめている。
中国。BRICsの中で先頭集団に位置し、新車販売規模は北米など先進国を追い抜く新市場。ここでトヨタ自動車は「21世紀のビジネスモデル」の種をまき、確かに芽吹かせていたのだ。
先進のICT技術やテレマティクスを駆使し、中国で成長し続ける次世代の「トヨタ方式」。その可能性と今後の戦略について、キーパーソンである広汽トヨタ総経理助理・トヨタ自動車 e-TOYOTA部主査の友山茂樹氏に話を聞いた。