トヨタ新社長就任会見…豊田社長のあいさつ

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トヨタ自動車の豊田章男社長は25日、東京都江東区の「MEGA WEB」内で内山田竹志氏ら5人の副社長とともに就任後初の記者会見を行った。

2期連続の赤字決算というかつてない経営環境のなかで登板した豊田社長は「トヨタグループ全員が力を合わせれば必ず『力強いトヨタ』を再構築できる」と、再建への決意を表明した。会見冒頭の挨拶での発言を収録した。

●挨拶(要旨)

・昨年後半以降、世界の自動車産業は大きな困難に直面している。当社も今期は昨年度を上回る赤字が予想され、まさに「嵐の中の船出」と感じている。

・トヨタは創業以来、クルマづくりを通じて人々の暮らしを豊かにしていくこと、さらに地域に根ざして雇用を生み、税金を納め、地域経済を豊かにすることに取り組んできた。現在は税を納めるという最低限の貢献もできず悔しい思いで一杯だ。ドン底からのスタートとなる。

・トヨタの歴史は、1950年の倒産の危機など苦難の歴史でもあった。しかし、「お客様第1」と「現地現物」のクルマづくり、また「技術革新」と「生産性向上」の追求で、いくつもの困難を乗り越えてきた。

・これからやるべきことは、「クルマづくりを通じた地域社会への貢献」を改めて共有することと、「お客様第1」「現地現物」を改めて実践することだ。2年ほど苦しい状況が続くが、グループ全員が力を合わせれば必ず「力強いトヨタ」を再構築できる。

・今後の経営の方向性は「商品を軸とした経営」と「マーケットに軸足を置いた経営」としていく。地域ビジョンを明確にし、「攻めるべき分野」と「退くべき分野」を見定め、リソーセスを重点配置したい。

・商品開発も地域中心へと大きく舵を切る。「全方位フルラインナップ」から「必要十分なラインナップ」へ見直していく。同時にニーズを先取りした新コンセプト車も投入していく。

・日本では、新車・中古車・軽自動車をビジネスフィールドに新たな視点でビジネスを展開する。広告・マーケティング活動の見直しを行い、マーケティングに特化した新会社を設立する。

・北米市場は、いずれ回復するとみており、「自立化」を一層推進していく。欧州では存在感あるメーカーとして特色を生かすため、「ハイブリッド」に徐々に軸足を移す。新興国では、正攻法で現地のお客様に向き合う。「良質廉価」なクルマづくりも進める。

・商品開発では「環境技術」とともに「運転することが喜びや感動に結びつく技術」、さらに「ニーズ先取りの技術」により、お客様を虜にするクルマを送り出したい。

・私自身は「現場に一番近い社長」でありたい。現場にこそ経営の本質がある。現場を支える従業員と一緒に考え、成長することが私の信念だ。焦らず、力まず、みんなで一緒に心を合わせていきたい。

●プロフィール:豊田章男(とよだ・あきお)
1956年生まれ。79年慶応義塾大法学部卒、82年米マサチューセッツ州バブソンカレッジでMBA(経営学修士)取得。84年トヨタ入社。元町工場、経理部、生産調査部勤務を経て92年から国内営業部門に。96年国内業務部業務改善支援室長としてトヨタ生産方式による販売店の改善施策を導入。98年NUMMI(GMとの米合弁)副社長。2000年GAZOO事業部主査としてGAZOOやG-BOOKを導入。同年取締役に就き01年からアジア本部長。02年に常務、03年に専務に昇格し中国本部などを担当。05年から副社長として調達、商品企画、国内営業、海外事業部門などを統括。09年6月社長就任。信条は「質実剛健」と「謙虚・感謝・信念」。学生時代はグランドホッケーで活躍するなどスポーツ全般が趣味。国際C級ライセンスをもち、商品開発への反映を主眼としたモータースポーツ活動も。裕子夫人との間に1男1女。愛知県出身。

《池原照雄》

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