カルマン、生産を終了…最終モデルはメルセデスベンツ CLK

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ドイツのコーチビルダー、カルマン社は22日、車両の受託生産を終了した。最終モデルは、メルセデスベンツ『CLKカブリオレ』だった。

カルマン社は1901年創業の老舗コーチビルダー。おもにソフトトップのオープンカーの開発・生産に関して豊富なノウハウを持つことから、多くの自動車メーカーから生産を受託。最近では、アウディ『A4』、フォルクスワーゲン『ニュービートル』、クライスラー『セブリング』、ポンテアック『G6』、スパイカー『C8』などのオープンモデルの生産を手がけていた。BMW『1シリーズ・カブリオレ』やベントレー『コンチネンタルGTC』のソフトトップも、両社に納入している。

また、カルマンを語る上で欠かせない存在が、名車『カルマン・ギア』である。イタリアのカロッツェリア、ギア社がデザイン、カルマンがボディ、フォルクスワーゲンがエンジン&シャシーを担当。空冷水平対向エンジンとRRレイアウトは、『ビートル』からの流用だった。

カルマンギアは、美しい2ドアクーペフォルムと手ごろな価格で人気を集め、1955 - 73年までの19年間に、累計約50万台を生産。このカルマンギアのヒットのおかげもあり、1949年から現在までのカルマン社の累計生産台数は、約330万台に到達している。

そんなカルマン社も、経営面では順風万帆とはいかなかった。最近の世界的な景気後退により、自動車メーカーからの受託生産台数が減少。規模拡大への設備投資が経営を圧迫した。

さらに、世界的なオープンカーの主流がソフトトップからメタルトップへ移行。カルマンも日産『マイクラC+C』(『マーチ』のオープン)、ルノー『メガーヌ・グラスルーフカブリオレ』、メルセデスベンツ『SLK』、クライスラー『クロスファイア』などのメタルルーフ車の生産にシフトしたが、それでも投資に見合うだけの生産量は確保できなかった。

そして、カルマンは4月8日、ドイツの裁判所に破産手続きを申請。現在はドイツ政府の管理下で、新たな出資者を探している状態だ。

こうして破産申請から2か月半後の6月22日、カルマンは車両製造を中止。最終モデル、メルセデスベンツCLKカブリオレがラインオフして、同社の100年以上に及ぶ歴史に終止符が打たれた。新たな出資者が見つかり、名門コーチビルダーが復活するかどうかは、現時点では不透明だ。

《森脇稔》

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