アウディ『Q5』の上級モデルには『A4』や『A5』の上級モデルと同じように3.2リットルのV6エンジンを搭載した「3.2FSIクワトロ」が設定されている。
アウディジャパン商品企画部の青木徹さんは「アウディバルブリフトシステムが採用された3.2FSIクワトロのエンジンは、ライバルを超える動力性能を発揮していますが、燃費に関してはライバルの3リットル車よりも優れた数値をマークしているバランスの取れたパワートレインです」という。
事実、Q5の3.2FSIクワトロはBMW『X3』やメルセデスベンツ『GLK300』に比べて排気量が大きいこともあり、ゆとりのある動力性能を与えてくれ、その上でこの2車を上回る燃費性能を手に入れている。さらに、ミッションに関してもツインクラッチの7速Sトロニックを採用しているので、切れ味のよい変速フィールとダイレクト感のある加速を見せてくれるのも魅力だ。
最大トルクに関しては同じQ5の下のグレードとなる「2.0TFSIクワトロ」よりも少ない数値となっているが、3.2FSIクワトロはV6らしい滑らかな回転フィールを持っており、静粛性や振動面でも直4の2.0TFSIクワトロを上回っている。0-100km/hの加速でも2.0TFSIクワトロよりも0.3秒ほど速い6.9秒をマークしており、同時に3リットルクラスのライバル車も凌駕している。
エンジンが直4よりも重いこともあり、街乗りでも2.0TFSIクワトロよりも重厚感のあるシットリとした走りを見せてくれるのも美点だ。力強さだけなら2.0TFSIクワトロでも全く問題のないレベルを獲得しているが、静粛性やエンジンの吹け上がりの滑らかさなど、上質な走りを追及する人にとっては3.2FSIクワトロのほうがマッチするだろう。