今シーズンのF1GPも何かと話題を呼んでいるが、そんな話題の一つが「KERS」。
日本語にすると「運動エネルギー回生装置」となるこのデバイスには、機械式と電気式がある。機械式はフライホイールを回転させることでエネルギーを保存する方式で、電気式はモーターで発電した電力をバッテリーに保存し、加速時にそれを補助動力として利用するのだ。
こうしたエネルギー回生システムは、ハイブリッドカーや電動アシストサイクルでは当たり前のように使われている技術だ。もっともF1マシンの場合、重量増になったりトラブルの原因になったりと、必ずしもアドバンテージになる要素ではないのが現状のようである。
そんなKERSを「人とくるまのテクノロジー展2009」で見つけた。出展していたのは英国トロトラック社、フルトロイダル式無段変速機技術の専門会社だ。展示したKERSは、フライホイールはフライブリッドシステム社が開発、CVT部分はモータースポーツ用トランスミッションで知られるXトラック社が設計を担当したという。
残念ながら同社のKERSはF1チームに採用されることはなかったが、こうして技術力をアピールするためにディスプレイされた、というワケだ。展示されていたのはモックアップ(たぶん木製)で、フライホイールも装着されていないため非常に軽量。女性の担当者が手荷物で運んできたとか。