『TTS』の“S”は、アウディでは特別な意味を持つ「S/RS」と呼ばれるモデルの仲間だということを示している。
ターボ、直噴、ツインクラッチの6速「Sトロニック」という先進の組み合わせであるが、それぞれがTTS専用に調律されているから、洗練された走り味を持っている。
カチッとしっかり感のあるボディが、しなやかだが腰のあるサスペンションに支えられており、ドライバーと一体感を持ったハンドリング性能を実現している。アクセルペダル、ブレーキペダル、ハンドルを操作したとき小さな動きから正確な反応をしてくれるから、ドライバーがテクニックを駆使すればするほど操る喜びを味わえる。
フロントに横置きされるエンジンがあっても、ハンドルを切った分だけノーズがきれいに向きを変えてくれるから楽しい。フルタイム4WDの「クワトロ」だから350Nm、200kW(272ps)という太いトルクと高いパワーを無理なくフルに引き出すことができる。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
こもだきよし|モータージャーナリスト
クルマ好きというより運転が好きなモータージャーナリスト。日本自動車ジャーナリスト協会副会長、BMWドライバー・トレーニングのチーフインストラクター、JAF交通安全委員会委員、警察庁各種懇談会委員などを務める。