熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体

自動車 社会 行政
熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体
  • 熱気球ホンダグランプリ…風任せ、自然と一体

インフレーターと呼ばれる巨大扇風機の送風によって、みるみる膨張するエンベロープ(球皮)。やがてバーナーの巨大な炎による熱をはらんだ気球が、やや春霞に煙った早朝の青空の中へと次々に飛び立っていく。

国内における熱気球競技の主軸となる年間ランキング戦、2009熱気球ホンダグランプリが開幕した。4月3日から4月5日にかけて行われた第1戦、渡良瀬バルーンレースの舞台は、エアスポーツのメッカといわれる栃木県藤岡町の渡良瀬遊水地。

主催者であるNPO「AirB」熱気球運営機構の町田耕造会長は、「熱気球はとても魅力的な乗り物です。風を読み、風を利用して飛ぶのですが、動力を持っていない以上は風任せですから、なかなか思うように飛べない。でも、自然というものは本来、思うようにならないものなんです。また、ちょっと風が悪ければ競技そのものを行うことすらできません。熱気球を飛ばすことを通じて、また熱気球が飛ぶのを見ることで、私たちは現代において忘れてしまいがちな、自然に即するという心を思い出すことができると思う」と、熱気球レースの意義を語る。

もちろん競技である以上、勝敗やランキングは厳然として存在するが、熱気球フライヤーはチームの枠を超え、自然を介して一体感を覚えるものなのだという。競技者同士の交流もさかんだ。

熱気球ホンダグランプリは今年で17年目。昨年は5戦で150万人以上を集めるなど、ビッグイベントに成長した。それでも運営はすべてボランティアの手によって行われ、スポンサー企業や自治体など多くの団体が、広告代理店などを介さずそれに協力するというスタイルは崩しておらず、そのことも和やかな空気を生むのに一役買っているようだ。

2009年シーズンの今後のスケジュールは以下のようになっている。
●第2戦:佐久バルーンフェスティバル
長野、5月3 - 5日
●第3戦:鈴鹿バルーンフェスティバル
三重、10月10 - 12日
●第4戦:佐賀インターナショナルバルーンフェスタ
佐賀、10月30日 - 11月3日
●第5戦:栃木熱気球インターナショナルチャンピオンシップ
栃木、11月19 - 23日

また、ランキング戦以外にも公認競技、ローカル競技など、さまざまな熱気球競技が行われる。それらの観戦はサーキットイベントを見るさいの入場料などを除けばすべて無料。空に浮かぶ熱気球をのんびり眺めに、また熱気球パイロットの巧みな操縦テクニックや駆け引きなどの高度なバトルを楽しみに、一度お出かけしてみては。

《井元康一郎》

井元康一郎

井元康一郎 鹿児島出身。大学卒業後、パイプオルガン奏者、高校教員、娯楽誌記者、経済誌記者などを経て独立。自動車、宇宙航空、電機、化学、映画、音楽、楽器などをフィールドに、取材・執筆活動を行っている。 著書に『プリウスvsインサイト』(小学館)、『レクサス─トヨタは世界的ブランドを打ち出せるのか』(プレジデント社)がある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集