【ジュネーブモーターショー09】インフィニティから 600psのハイブリッドスポーツ

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日産の高級車ブランド、インフィニティは3日、ジュネーブモーターショーでコンセプトカー、『エッセンス』を披露した。3.7リットルV6ツインターボ+モーターは、トータル出力600psを発生。インフィニティが考えるFRフラッグシップスポーツの提案だ。

エッセンスはインフィニティブランド誕生20周年を記念したコンセプトカーで、ロングノーズ&ショートデッキのボディは、古典的スポーツカーを連想させる。前後フェンダーの盛り上がりは、官能的なオーラすら漂わせるものだ。フロントフェンダーのエアインテークは、着物の「かんざし」をイメージしているという。

ヘッドランプは、インフィニティ各車に共通するL字型ライトを採用。低く構えたグリルはアグレッシブな雰囲気だ。リアはステンレス製のスポイラーがアクセント。足元は22インチの光沢アルミホイールが引き締めている。特徴的なCピラーやガラスルーフには、新しい試みが見て取れる。

ボディサイズは全長4720×全幅1960×全高1310mm、ホイールベース2800mm。日産『スカイラインクーペ』と比較すると、65mm長く、140mmワイドで、80mm背が低い。ホイールベースは50mm短い。

パワーユニットは、スカイラインクーペの3.7リットルV6を直噴ツインターボ化したもので、エンジン単体の最大出力は440ps。組み合わせるモーターは小型軽量&高出力の「3Dモーター」で、最大出力160ps、最大トルク51kgmを発生する。エンジンとモーターを合わせたトータル出力は600psと、ベースエンジンよりも267psも強力。この数値は3.8リットルV6ツインターボ(480ps)を積む日産『GT-R』さえ、120psも凌駕する。

モーター用の2次電池はリチウムイオンバッテリーで、前後重量バランスに配慮して、トランク床下に配置。回生ブレーキも装備しており、バッテリーへの充電が行われる。モーターはフロントのエンジンとトランスミッションの間にレイアウト。もちろん、低速域や低負荷域ではモーター単独で走行し、ゼロエミッションのスポーツカーとなる。

インテリアは大型センターコンソールで2分され、運転席側をブラック、助手席側をレッドとしてコントラストを強調。2シーターの室内は適度なタイト感を演出する。運転席正面には、フラットボトムのステアリングホイールとクロノグラフ風メーターを配置。シフトレバーはアルミ製のショートストローク仕様だ。シートやドア、インパネには、レザーやアルカンターラ、ウッドなど吟味された素材が使われ、最上のホスピタリティが追求された。

トランクには、ルイヴィトンとのコラボレーションによって生まれた専用ブリーフケースが収まる。大小3つのブリーフケースは、トランクのトレーから引き出すアイデアを採用。大人2名分の荷物が積めるように工夫されている。

安全面も万全の構えで、DCA(ディスタンスコントロールアシスト)、LDP(レーンディパーチャーウォーニング)、SCP(サイドコリジョンプリベンション)、BCP(バックアップコリジョンプリベンション)など、最新の安全装備が織り込まれた。

日産はエッセンスの市販計画について明らかにしていないが、エッセンスがインフィニティのブランドイメージを大きく引き上げる効果を発揮したのは間違いない。2008年10月に欧州展開を開始したばかりのインフィニティにとっては、今回のジュネーブが最高のPRの場になったようだ。

《森脇稔》

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