マセラティは23日、『グラントゥーリズモS』に6速AT仕様を設定した。従来のMTベースのセミAT、「MCシフト」と併売される。
グラントゥーリズモSは、2008年3月のジュネーブモーターショーで発表。『グラントゥーリズモS』シリーズの最強グレードに位置づけられる。V8エンジンは4.2リットルから4.7リットルへ排気量を拡大。最大出力は440ps/7000rpm、最大トルクは50kgm/4750rpmを発生する。0-100km/h加速は4.9秒、最高速は295km/hという1級の性能を実現している。
トランスミッションは6速MTベースのMCシフト。2ペダルのセミATだが、操作には若干の慣れが必要なのも事実。そこで、マセラティは顧客の選択肢を拡大させる目的で、6速ATの追加に踏み切った。
この6速ATはZF製で、1月のデトロイトモーターショーで発表された『クアトロポルテスポーツGT S』用と共通。大トルクに対応したATで、パドルシフトを装備している。4.7リットルV8のエンジンスペックに変更はない。
AT仕様のサスペンションはスカイフック機能が付いた電子制御タイプ。減衰力を調整することで最適な乗り心地を提供する。
外観はサイドスカートと20インチアルミホイールが専用デザイン。室内は「マルチメディアシステム」が用意され、ブルートゥースやiPodに対応している。エアバッグも最新世代に切り替わった。
グラントゥーリズモSの6速ATは、3月3日に開幕するジュネーブモーターショーで正式発表。トランスミッションだけでなく、キャラクターもラグジュアリー方向にシフトした仕様といえそうだ。