私も今年のイヤーカー、トヨタ『iQ』に一票を投じたひとりです。環境と安全がキーワードになる昨今、どうしても小さなクルマの可能性を信じずにはいられません。
全長3m以下、でも、堂々とした風貌。そして短い鼻先でありながら、乗員+歩行者保護のために上手につぶれる安全性を実現し、さらに横滑り防止装置標準装備と9つものエアバッグで、守ろうという心意気。世界初の後突用のエアバッグや、シートベルトで内臓損傷を起こさないためのもぐりこみ防止のためのシートエアバッグなど、小さいクルマこそ真剣に取り組みんでほしい安全装置がてんこ盛り。
小さい=ちゃちい=貧乏人は死んでもいい、といった従来の考え方を覆してくれています。
たしかに、インテリアを爪ではじくと安い音がするとか、40 - 50km/hで低速走行するとこもったような振動がするとか、言いたいことはたくさんありますが、この小さいクルマの挑戦が、これからのクルマの未来を切り開いてくれる。そんな可能性をものすごく感じています。
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員他、委員を兼任。