ルノーは10月2日、2009年シーズンの「メガーヌトロフィ」に参戦するマシンの概要を明らかにした。
メガーヌトロフィは2005年から世界選手権として行われているワンメイクレースで、2009年からは新型『メガーヌクーペ』がベースのマシンに切り替わる。
新型はパリモーターショーで公開された『メガーヌクーペ』をモチーフにしている。といっても、実際に『メガーヌ』から流用しているのはヘッドランプとテールランプ、窓ガラス程度。エンジンはミッドシップに置かれるなど、市販車とはまったく別モノ。ルノーのモータースポーツ部門、「ルノースポール」によって開発されたレース専用車だ。
新しいマシンも日産製の3.5リットルV6をベースに、ルノースポールがチューニングした専用エンジンを搭載する。ただし、最大出力は現行マシンの320psから360psへ40ps引き上げられている。最大トルクは39.8kgmと不変だ。
このエンジンがスチール製マルチチューブラーフレームを使った、重量わずか955kgの軽量ボディと組み合わされるわけだから、そのパフォーマンスは推して知るべし。パワーウェイトレシオは2.65kg/psとスーパーカー並みだ。ルノーは「サーキットではポルシェ『911 GT3』と同等のラップタイムで周回する」と豪語している。ミッションはパドルシフトの6速セミATだ。
見た目の迫力という点でも、新型は現行マシンに負けていない。リアには大型ウイングを装着。また、ボディ下回りにはディフューザーも追加している。高速走行時に有効なダウンフォースを20%高めると同時に、揚力は15%低減した。圧巻はガルウイングドア。1995年に市販された『ルノースポールスピダー(スパイダー)』を連想させる。
ブレーキは前が直径356mmの6ピストン、後ろが直径330mmの4ピストン。サスペンションは4輪ダブルウイッシュボーンで、ダンパーは減衰力調整式だ。タイヤはミシュランの18インチを履く。
日産製の3.5リットルV6といえば、『フェアレディZ』や『スカイライン』の心臓部として定評あるスポーツユニット。このエンジンを基本にしたメガーヌトロフィがサーキットでどんな速さを見せてくれるのか、2009年シーズンが楽しみだ。