現在共和党の大統領候補として11月の本戦に備えるジョン・マケイン上院議員が、「海外の原油に頼らない新しいエネルギー政策の柱」として独自の構想を明らかにした。
それは現在プラグインハイブリッドやEV自動車に使われているリチウムイオンよりも優れた性能と低コストを実現できるバッテリー開発に3億ドルの報奨金を与える、というプラン。
ただしハードルは高い。現行のバッテリーよりも「30%パワーアップ、しかもサイズ、能力、コストなどが商業的に利用可能であること」が条件だ。
マケイン氏の提案は、米自動車メーカーが「米政府は代替エネルギー開発に対してメーカーに十分な援助を行っていない」と批判したことに対する返答として行われた。
米国では元トヨタ重役でクライスラーグループに移籍したジム・プレス氏が「『プリウス』開発には日本政府からの巨額の援助があった」と発言したことなどを受け、事の真偽はともかくも「外国政府は代替エネルギー開発に対する積極的な援助を行っている」という論理が幅をきかせている現実もある。
今回のマケイン提案、ガソリン高騰にどう対処するのか混迷している米下院に対するひとつの解決案ではあるが、政府としてこれを受け入れ実際に提唱するかどうかは未定。しかしプラグインハイブリッドに熱い注目が集まっている米国では、マケイン提案を支持する声がシリコンバレーなどを中心に高まっているのも事実だ。