日本通運は10日、ルースカヤ・トロイカ社(代理店:三井物産株式会社)が提供するトランスシベリアレールウェイ(TSR)ブロックトレイン利用による、モスクワ向け一貫輸送サービスを、6月中旬から本格的に販売すると発表した。
同ルートは、かつてはシベリアランドブリッジ(SLB)と呼ばれ、日通は、1971年からシSLB利用によるロシア通過貨物の日欧間輸送サービスを提供している。最近のロシア経済の急速な発展に伴い、TSRブロックトレインを利用したモスクワ向け一貫輸送サービスを提供する。
従来の海上輸送に加えて、より多様な輸送方法を提供するため、TSRを利用して、独自にテスト輸送を実施した。その結果、コンテナ1本(1個)の予約でも定時性が確保され、安全性、トレース精度でも従来のSLBと比較して品質が優れていると判断した。
ルースカヤ・トロイカ社は、シベリア鉄道と、コンテナ運送会社のFESCOとの折半出資にて設立された、TSRコンテナ複合一貫輸送サービス事業者。またブロックトレインとは元々、荷主がプロジェクト単位で数量をコミットした貨物専用急行列車サービスとして運行が開始された。現在は複数荷主のコンテナ単位混載のトレインサービスとなっており、1コンテナから利用可能。
輸送サービスの提供にあわせて、鉄道貨物輸送に特化した梱包ノウハウをもつ日通商事が顧客の要望に合わせた梱包を企画、提案する。さらに、ロシア向け貨物の運送保険は、一般的にそのリスクの高さから欧州向けより高額となるが、貨物のダメージが少ないTSRブロックトレイン専用の安価な貨物保険商品を開発、同社が輸送・梱包・保険でサポートする。
また、この一貫輸送サービスは、日本以外に、韓国(釜山)、中国(香港、上海、塩田、煙台)、台湾の主要港からも利用することが可能で、グローバル展開する顧客の需要にも対応する。
今回のTSRブロックトレインによる一貫輸送サービスをラインアップに加え、ロシア国内物流までをカバーする独自のネットワークを活用し、部材輸送から製品輸送まで、顧客のロシアでの物流をサポートするとしている。