日産自動車が6月2日に発表した新型『ティアナ』は、グローバル市場でも激戦区となっているLクラスのサルーンカー。ライバルとして日産が想定しているのは、「まずグローバルですが、ティアナのメインマーケットは中国市場。その中国で真っ向から競合するのはトヨタ『カムリ』、ホンダ『アコード』、アウディ『A6』になると思います」(開発責任者の有光大チーフ・プロダクト・スペシャリスト)。
成長著しい中国の自動車市場だが、そのなかでも比較的所得の高いユーザー層に人気が高いのが、Lクラスセダンである。道路整備はまだまだ拡充の余地があるが、整備されたところについては日本に比べて高速道路、一般道路とも高規格設計で速度レンジが高い。欧米に近い走行環境であることと、後席にも人を乗せる機会のあるユーザーが多いことから、操縦安定性が良好で、かつ居住性も高いセダンが人気を博している。
「このクラスのモデルを購入する比較的裕福なユーザーは、海外留学のさいに日欧米のクルマに乗る機会があったというケースが多いんです。インターネット等を使った情報収集にも熱心で、クルマを見る目は厳しい。新開発プラットフォームがもたらす高い快適性や走行性能で、そんな中国ユーザーの支持を必ず得られると思っています」(有光氏)