日本の翼を象徴した“鶴丸マーク”、半世紀の歴史に幕

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“鶴丸マーク”がラストフライト

日本航空(JAL)は会社の象徴として永く機体の尾翼部分に用いてきた“鶴丸”マークが、5月31日午後9時30分の羽田空港に定刻到着したJA138便(ボーイングB777-200型機)をもって、半世紀に渡るシンボルとしてのラストフライトを終えた。

またこれに先立つ30日には、成田空港に午後6時30分に中国アモイから到着したJL608便(ボーイングB767-300型機)をもって、国際線のラストフライトを終えている。

日本を象徴する丹頂鶴が飛び立つ様子をモチーフにした鶴丸マークは、日本と世界を飛びかうJALの企業イメージを高めるとともに、当時経済発展する日本の翼を象徴するものとして親しまれてきた。

第二次大戦で失われていた日本の翼が復活したのが1951年。国営企業としてスタートした当時の日本航空は、窓枠部分にストライプのライン、そして尾翼には“日の丸”が描かれたプロペラ機からスタートした。その後国際線の運航が始まりジェット機時代に入るに従い、他の外国エアラインとの差別化を図るべく、目立つ機体デザインや機体色の必要性が出てきた。

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半世紀の歴史

そこで日の丸に代わるマークとして鶴丸マークが日本国内の図案家によって、考案。1960年7月、当時のダグラスDC-8型機のコクピットと搭乗ドアの中間に小さく収まり、飛び立つ鶴をイメージしたマークにJALのロゴが入るレイアウトであった。

実はそれ以前から鶴丸マークが同社の宣伝物や客室用品などに採用されていたのを踏まえ、機体外側への活用が本格化することになる。

1970年はジャンボジェットのボーイングB747型機が就航。併せて赤い鶴丸マークは超大型の尾翼に描かれることになり、日本経済の発展とともに世界路線網を拡大する同社のブランドイメージ向上に貢献したのである。

昼間はもちろんのこと、夜間はライトアップによって鶴丸マークが浮かび上がるなど、離着陸時とともに空港内を低速滑走中するタキシング時の様は、悠然とした鶴丸マークが印象的であった。そして機種を問わずJALを象徴するマークとして、今日まで親しまれてきた。

半世紀に渡る鶴丸マークの役目となったが途中でデザインの変更が行われており、JALの書体の変更と羽根の部分にアクセントが強めになったデザインとなっている。

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燃え盛る新生日本航空

しかしこの鶴丸マークも2002年の日本航空と日本エアシステム(JAS)の統合により、新しい日本航空としてのロゴやマーク、機体デザインが必要となった。それが今日使用されている、太陽をイメージした尾翼のマークである。

The Arc of the Sun(太陽の弧)をイメージしたデザインはシンプルながらダイナミックな表現となっており、燃え盛る太陽光が“新生日本航空の姿勢”を表現している。その一方で統合化による社内業務や機体などのトラブルが発生したのは残念であるが、安全運航が大前提のエアラインにとって今が正念場の“太陽のアーク”といえよう。

ラストフライトの行事に参加した歴代のユニフォームを着たキャビンアテンダントをはじめ、空港で働くグラウンドスタッフや整備クルーの若い社員の顔には、太陽の輝きを感じる安全運航への姿勢と搭乗客へのもてなしの心がにじみ出ていた。

《浜田拓郎》

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