トヨタ『カローラルミオン』は『カローラスパシオ』や『カローラランクス』の後継モデルという位置付けだが、北米仕様のサイオン『xB』とボディを共用しているために全幅が1760mmもある3ナンバーボディとなっている。
カローラルミオンのチーフエンジニアを務めた藤田博也さんは「ルミオンのボディは3ナンバーサイズとなっていますが、そのぶんは室内のパッケージングに生かされています。後席は横方向に余裕がありますし、2WDはフロアもフラットになっていますので、くつろいだ姿勢を取ることができます」という。
「また、ボディは大きいですが最小回転半径は5.2mとしていますので、優れた取りまわし性能を実現しています」
実際にルミオンの室内には余裕が感じられ、運転席まわりも広々としている。だが、前席はベンチシートではなく、このパッケージングでは珍しいセパレートシートが採用されており、パーキングブレーキも足踏み式ではないレバー式となっている。
リヤシートやラゲッジルームのアレンジも主に可倒するだけで、シートスライドなどは装備されていない。オリジナリティがあるのは、後席の下に傘などを収納できるスペースがあり、一部グレードを除いて座面を跳ね上げて、その部分にも物が置けるようになっている。ただし、これら座面が跳ね上げられるシートは、シートクッションが硬くなってしまっている。
最近の国産コンパクトカーは非常に細かいシートアレンジや、物入れの数が豊富に用意されているので、ルミオンのパッケージングやユーティリティには少しアバウトな印象を受けてしまう。