第40回東京モーターショーに三菱ふそうが参考出品するコンセプトカーが『CANTER ECO-D』。パワートレーンは、ディーゼルエンジンとモーターを使ったパラレル式のハイブリッドシステムを採用している。このシステムは、2006年7月に発売した市販車の『キャンターエコハイブリッド』が採用しているものと基本的に同じである。
特徴は、クラッチとトランスミッションの間にモーターを挟みこんでいること。そして、コンセプトカーのCANTER ECO-Dにはこの特徴を生かした新しいアイデアが盛り込まれている。
そのアイデアとは、エンジンは作動させずにモーターの駆動力をPTO(Power Take Offの略で、特装車の架装物を動かすためにトランスミッションを通して分割する動力。ON/OFFを操作できる)として分割できること。つまり、エンジンを切ったまま装備を動かすことができるのだ。
たとえばこのCANTER ECO-Dでは、従来はエンジン出力を利用した油圧でおこなっていたベッセルの昇降動作をモーターのみで行なうことができ、作動時の騒音を低減し燃料の節減にも貢献しているのである。
働くクルマによる作業時の騒音は、市街地や住宅街では気になるもの。騒音を減らすアイデアは、まさにCANTER ECO-Dが狙う「次世代の都市型ダンプ」にふさわしいものだ。モーターによるPTO出力は、高所作業車やゴミ収集車など幅広い特装車両に応用が期待できるアイデアである。