独ダイムラーが、メルセデスベンツ『Aクラス』と『Bクラス』の次期モデル開発に関し、フィアットとの提携話が進行している、とドイツの自動車雑誌『auto motor und sport』(アウトモートアウントシュポルト)が報じた。
ダイムラーは、「他の自動車メーカーと協力する用意はある」とのコメントを発表しているが、フィアットとの提携については、否定も肯定もしなかった。フィアット以外では、BMWやPSAグループの名前も浮上している。
経営不振のクライスラーを切り離したことにより、身軽になったダイムラーだが、安定株主がいない、つまり買収のターゲットになりやすい点が指摘されている。
2006年末時点のダイムラークライスラーの株主構成をみると、筆頭株主はクエート投資庁で、保有株式はわずか7.1%。これを含めた機関投資家が全体の72.4%を占めており、提携先のとして名のあがっているフィアット、BMW、PSAグループのような安定株主は存在しない。
つまり、今回のダイムラーの提携話は、AクラスとBクラスの共同開発にとどまらず、欧州自動車業界再編への予兆となる可能性も秘めているのかもしれない。