トヨタは「Saloon's Future」をテーマにセダン、ワゴン、ミニバンそれぞれの使い勝手を備えた『マークXジオ』を発表した。チーフエンジニアの杵築邦昌さんは、「単なる派生車種ではない、『マークX』シリーズの一翼を担う新規車種です」と言う。
ターゲットユーザーは、既に子育ての終わった40から50歳代。夫婦で、または気心の知れた友と、“自由で豊かな時間”を過ごすためのクルマだという。
企画の発端は、「まず、近年では自動車との関わり方が変わった。もともとセダンユーザーだった人に選ばれる車種がコンパクト2BOXになってきた。例えばトヨタでは、子育てをしている人へ向けては『シエンタ』や『ポルテ』を提案していった。では、子離れ層をとりあげると、ニーズに応えたクルマがない、という結論に至った」と杵築さん。
トヨタの渡辺社長も、最近の商品企画について「市場を賑わすために、40から50歳代のミドルエイジへ向けて『ブレイド』や『ヴァンガード』で、新しいライフスタイルを提案している」と説明している。
マークXジオのライバル車種について杵築さんは、「このクルマはカテゴリーの枠を超えているので、ちょうど重なるものはない。逆に言えば、セダン、ワゴン、ミニバンのすべてのカテゴリーになるだろう」と、言っている。
マークXという名前を与えたことについて「マークXが先代にあたるマークIIからイメージアップをすると共に、トヨペット店のイメージも変えられた。そこでこのクルマをトヨペット店から発売すること、“マークXブランド”を借りることになった」と、杵築さんは言った。